-お願い-
日本体力医学会理事長 吉岡利忠
日本体力医学会学術委員長 鈴木政登
去る平成19年9月14日~16日に亘って秋田市ノースアジア大学で開催されました第62回日本体力医学会大会において、平成16~18年度体力医学会プロジェクト研究課題“日本人のための健康関連体力指標最大酸素摂取量(VO2max)の標準化およびMinimum zone (MZ)の設定”(プロジェクト研究代表鈴木政登)の総括報告がなされました。この報告会では、各班員が日本人を対象に実測または間接法で推定したVO2maxデータが発表されました。一方、平成18年7月に厚労省運動所要量・運動指針策定委員会より示された性別・年代別“健康づくりのための最大酸素摂取量の基準値”および“健康づくりのための最大酸素摂取量の範囲”はいずれも当該プロジェクト研究において報告されたデータと大きく異なる数値でした。当該策定委員会ではシステマティックレビューにより求めたと記述しておりますが、日本人の実測VO2max値との乖離が大きく、利用に際しては混乱を招くのではないかと懸念されます。
そこで、第19期体力科学研究連絡委員会(馬詰良樹委員長)提言“日本人のための健康体力指標の標準化、及び健康増進・疾病予防のための身体活動に関する推奨・指針作成への提言”をも鑑み日本体力医学会学術委員会において“日本人の健康体力指標VO2maxの基準値”の作成を試みることにしました。今後新たにVO2maxを実測するのではなく、体力医学会会員が既に測定してあるデータを提供して頂き、平成16~18年度の体力プロジェクト研究成果を基盤に、それらのデータを加えることによって、実測VO2max値に基づいた“日本人の健康体力指標VO2maxの基準値”作成を計画いたしました。体力医学会会員各位にはご多忙の折誠に恐縮でありますが、本計画の意図をお汲み取り頂き、実測VO2maxのデータ提供をお願いする次第であります。尚、本事業に対する予算化された資金はありませんので、データを提供してくださった会員には、データ提供者一覧にご尊名を記して感謝の意に換えますことでご容赦頂きたいと思います。
次いで、データの提供方法についてご説明致します。
1)データの匿名化
まず、被験者の名前を全て匿名化して頂きます。例えば、体力医学会会員鈴木政登が男性50名、女性50名のデータを提供すると仮定した場合、男性ではS(提供者スズキ)、M(性male)を用いSM-1~SM-50とし、女性も同様にSF-1~SF-50のように匿名化して下さい。被験者は測定時現在健康(治療中の病気はない等に基づいて判断)であることを原則としますが、単純肥満等VO2max測定に支障を来さないような場合にはその旨備考欄に付記して下さい。尚、データは過去10~15年の間に測定されたものをお願い致します。
2)運動負荷測定装置、ガス分析装置、運動負荷方法等について
運動負荷測定装置名(トレッドミル、自転車エルゴメータ)、負荷方法(漸増負荷法、ramp負荷法、固定負荷法等)、ガス分析方法(ダグラスバック法、全自動ガス分析装置(ミキシングチャンバー方式か、breath-by-breath法)等の相違)および心電図および心拍数算出方法の記載をお願い致します。
3)VO2max採用基準
例えば、呼吸交換比RR1.1~、予測最高心拍数の90%~を満たす、VO2maxのleveling off、血中乳酸濃度~モル以上、などを具体的に記入して下さい。
4)データ収集期間
データ収集期間は平成19年11月1日~平成20年3月31日
5)“日本人の健康体力指標VO2maxの基準値”公表時期
第63回日本体力医学会大会(平成20年9月18日~20日、大分)において公表する予定にしております。
6)データ送信方法および送り先
データは、添付データ記入フォーマット(エクセル)に入れて頂き、下記宛てお送り下さい。尚、同様のお願い文章は体力医学会ホームページにも掲載しております。そちらから、データ記入フォーマット(エクセル)をダウンロードして頂くことも可能です。
送り先:masatos@jikei.ac.jp(東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座 鈴木政登)
平成19年10月12日
提供フォーマット
Excelファイル |