日本医学教育学会(21−22期) 学習者評価部会
直接観察のフィードバックに関するポイントを解説します。
まずフィードバックコメントを返す前に、ご注意いただきたい点は、評価者自身が学習者、他のスタッフ及び患者らに対して、医療人としてふさわしい態度や行動をとっていただきたいということです。Mini-CEXの観察評価の場では、評価者自身の態度や行動も、学習者らに観察されているものと認識することが大切です。教育的なフィードバックコメントと相反するような態度や行動をとってしまうと、フィードバックの教育的効果が損なわれてしまいます。
そのうえでフィードバックコメントを記述する際には以下を意識されるとよろしいかと思います。
なお、フィードバックは評価票を無言で返すのではなく、学習者と評価者との双方向的な会話があるとよいかもしれません。文章のニュアンスだけでは伝わらないこともありますし、異なる解釈や誤った印象でコメントをとらえた場合、その場で修復することが可能です。
Tripodi N, et al. Med Teach. 2021;43(8):960-965. などを参照
フィードバックは、評価票への記述に加えて、口頭で行うことを推奨します。
ただし、学習者が診療を行っている最中の口出しは原則控えることとしましょう。もちろん、患者に危険や強い不快を与えうる学習者の行為、もしくはそのような行為が強く予想される場合、重大な判断の誤りや説明内容の誤りがあれば、途中の口出しは必要です。
Mini-CEX終了後の口頭フィードバックの1例を Video 2 でお示しします。
ここをクリックしてVideo2を視聴しましょう