学生・研修医・医療者教育指導者のための学修者評価ガイド
~理論と実践~

日本医学教育学会(21−22期) 学習者評価部会

第1章教育現場でコンピテンシーとEPAsを評価する際の理解のために

1) 基本編

(3) コンピテンシーの評価

 コンピテンシーはどのように評価するのでしょうか?

 医師として身につけるべきコンピテンシーとは能力の領域として表現されます。つまり、医学教育モデル・コア・カリキュラムを例にとると①プロフェッショナリズム、②総合的に患者・生活者をみる姿勢、③生涯にわたって共に学ぶ姿勢、④科学的探究、⑤専門知識に基づいた問題解決能力、⑥情報・科学技術を活かす能力、⑦患者ケアのための診療技能、⑧コミュニケーション能力、⑨多職種連携能力、⑩社会における医療の役割の理解とありますが、それぞれ医師としては重要なコンピテンシーですが、医学生に求められるレベル(LEVEL 1)、初期研修医に求められるレベル(LEVEL 2)、専攻医に求められるレベル(LEVEL 3)、そして、それ以上の経験ある医師に求められるレベル(LEVEL 4)は異なっている…と思いませんか?

 コンピテンシー基盤型教育において学習者を評価するためにはその学習者の段階におけるコンピテンシーのレベル=マイルストーンを示す必要があります(下図)。2020年改訂の初期臨床研修制度における研修評価票Ⅱはマイルストーンのひとつの例と言えます。