雑誌「医学教育」の余剰出版による「論文削除」について

 

「医学教育」読者の皆様へ

 「医学教育」は第42巻第4号に下記の論文の削除を公表いたしました。

日置智津子、新井勝彦、高士将典、新井 信.漢方医学教育における漢方生薬実習の検討.医学教育2009;40(4):271−278.

 論文削除の理由は「余剰出版」です。この論文は、「YAKUGAKU ZASSHI」2008;128(10):1467−1473.に掲載された同署者による「漢方医学基礎教育における医療薬学体験チーム型実習の導入と評価」と同じ観察対象、観察データを用い、掲載されている図表も同じものが含まれています。編集委員会は、今年の4月中旬に「余剰出版」の疑義の情報に接したので、編集委員会内で2つの論文の内容を検討し、さらに4月下旬には著者に確認の手紙を出し、著者の意見も聞きました。また、ホームページにも余剰出版の疑いで検討を開始した旨を公表しました。編集委員会はCOPE (Committee on Publication Ethics) のガイドラインに沿って審議検討した結果、本誌掲載論文を「余剰出版」と判断し、その判断を著者に伝えました。第42巻第4号に削除について公告を行うとともに、「YAKUGAKU ZASSHI」編集委員長にこの決定をお伝えしました。

 医学教育は、この分野のリーディング誌となるために今後も様々な問題に真摯に対応していきたいと考えております。

平成23年8月10日

日本医学教育学会
編集委員長 福島 統