高血圧
⇒ 可逆性後頭葉白質脳症・高血圧性脳症・頭蓋内出血・子癇
低血圧
⇒ 循環不全(敗血症、心不全、出血など)、薬物中毒、副腎不全、不整脈など
頻脈
⇒ 発作性頻脈、上室性(発作性上室性頻拍、心房細動、心房粗動)、心室性(心室頻拍、心室細動)、遺伝性症候群(QT延長症候群、Brugada症候群)
徐脈
⇒ 洞不全症候群(洞停止、洞房ブロック)、房室ブロック
低血圧+徐脈(+左片麻痺 or 神経症状の変動) ⇒ 大動脈解離
血圧低下により意識障害 頚動脈解離 ⇒ 頚動脈反射 ⇒ 徐脈 右頚動脈狭窄閉塞 ⇒ 左片麻痺 (狭窄の程度と血圧により左片麻痺や意識レベルの変動を認める)
無痛性解離(急性大動脈解離症例の10〜55%)の場合、梗塞の治療として血栓溶解療法を開始すると大動脈解離部より大出血を起こす可能性がある
⇒ 変動する意識障害や神経症状に、低血圧と徐脈がある場合、大動脈解離を除外して血栓溶解療法を使用する
平均血圧と脳血流量
平均血圧 = 拡張期血圧 + ⅓(収縮期血圧ー拡張期血圧)
健常人では平均血圧が 50-160mmHgの範囲では脳血流量は一定である
平均血圧が 50mmHgを切ると脳血流量が低下する
平均血圧が 160mmHgより高くなると脳血流量が増加する ⇒ 頭蓋内圧亢進 ⇒ 脳ヘルニア
高血圧があると、脳血流量が一定になる平均血圧の範囲が右にシフトする
実線:健常人 破線:高血圧
脳血流量と代謝障害
脳血流量の減少と共に、蛋白合成や特定遺伝子発現の低下、ブドウ糖の脳内代謝低下 (cerebral metabolic rate for glucose: CMRG)と乳酸蓄積、pH維持障害、クレアチンリン酸(phosphocreatine: PCr ATP合成に関与)の低下、ATP合成低下が起こり、神経細胞機能低下や神経細胞脱落、グルタミン酸放出、梗塞、カリウムイオンやカルシウムイオンの放出がおこる