1.テント上病変では、両側の大脳半球を障害するか深部間脳を障害する病変。
a.種々の代謝性㊟1・器質性疾患㊟2により脳機能がびまん性に抑制・遮断。
b.片側の病変であっても、病変が拡大し、二次的に間脳を侵し、上行性網様体賦活系を障害。
2.テント下病変では、上位脳幹を障害する腫瘤性㊟3あるいは破壊性病変。
㊟1.無酸素・低酸素、虚血、低血糖、栄養障害、肝性脳症、尿毒症(透析)、肺疾患、内分泌疾患、薬物・毒物、酸塩基異常、体温調節異常、など。単独では意識障害を起こさない代謝性脳症でも、複数合併すれば意識障害を起こしうる。
㊟2.脳炎、脳脊髄炎、クモ膜下出血、脳振盪、非けいれん性てんかん重積、けいれん後状態など
㊟3.虚血や炎症に伴う腫脹、出血、腫瘍、膿瘍、動脈瘤など
意識障害を起こす病変
a:両側大脳半球病変 低酸素脳症や一酸化炭素中毒、低血糖など。
b:両側間脳病変 腫瘍など。
c:吻側中脳病変 脳底動脈の吻側尖端部血栓・塞栓。
d:尾側中脳・吻側橋病変 脳底動脈閉塞・出血。
e:橋病変 橋出血による吻側橋や中脳圧迫。
意識障害と脳幹の病変
a:脳幹病変があるにもかかわらず意識障害を起こさない病変。
b:意識障害を起こす病変を重ねると、吻側橋〜中脳の被蓋部に集中している。