急性期の意識障害は、脳圧の変化や脳循環、呼吸、体循環、けいれんなどの管理が必要となる。意識障害が遷延すれば、その障害部位により過眠、無為、無動無言、最小意識、植物状態、脳死状態となる。
急性期の意識障害(意識レベル・意識変容を参照)
せん妄 (Delirium)
昏蒙 (Obtundation)
傾眠 (somnolence)
嗜眠 (Lethargy)
昏迷 (Stupor)
昏睡 (Coma)
注意! 閉じ込め (Locked in)(意識障害では無い)は橋病変により起こり、垂直眼球運動が保たれ、この随意運動を手がかりに意識障害で無いことを確認する
亜急性期・慢性期の意識障害
過眠 (Hypersomnia):一日10時間以上の睡眠を最低2週間常に取っているか、日中に何度も居眠りをしてしまう場合
無為 (Luck of will):病的に意欲が低下、ないし喪失した状態
無動無言 (Akinetic mutism):間脳から上位脳幹の障害による 睡眠、覚醒のリズムは保たれているが、全体としては傾眠状態である 知的活動は無い状態 覚醒時には目をあけ,意識があるようにみえるが,自発的な運動や自発語がない。食物の嚥下や逃避反射はあり,目で人やものを追うことはある(⇔失外套症候群 前頭葉を含めた大脳皮質全般の広範な障害によって起る 大脳の機能が失われ,特に自発性の欠如が著しく,自ら話したり動いたり認識したりすることがなく,精神的な反応はほとんどなくなる。間脳・脳幹は保たれており、嚥下は保持され、除皮質姿勢を取る。注視や追視はしない 意識は清明)
最小意識 (Minimal consciousness):認識能力が重度に障害されているものの、完全にはなくなっていない状態
植物状態 (Vegetative state):脳損傷により大脳機能が失われ、自力で動けない、自力で食事ができない、失禁状態、目で物を追うが確認できない、声は出すが意味のある発語ができない、ほとんど意思疎通ができないなどの状態が、治療にもかかわらず三か月以上続く状態である 無動無言と失外套の両方の病態を含む
脳死 (Brain death):ヒトの脳幹を含めた脳すべての機能が不可逆的に回復不可能な段階まで低下して回復不能と認められた状態