意識レベルの変化
明識困難状態(senselessness):ごく軽い意識混濁。外界の認知は保たれているが、正常よりやや不活発でぼんやりしている。
昏蒙(obtundation):軽度の意識混濁。覚醒はしているが、精神活動は浅い眠りに近い状態。外界の認知に混乱が生じ、見当識が障害される。
傾眠(somnolence):放置すれば眠りに落ちてしまうような状態。刺激されれば容易に覚醒し、短時間なら合目的的な行動もできる。
嗜眠(lethargy):傾眠よりやや強い意識混濁。強く刺激すれば覚醒し、食事のような合目的的行動も可能。
昏迷(stupor):中等度の意識混濁。閉眼、横臥し、強い刺激をしなければ覚醒しない。眼球運動も少なくなり失禁がみられる。強い刺激に反応しても発語ははっきりしない。見当識は失われ、健忘が残る。
昏睡(coma):重篤な意識混濁。強い刺激に対してもほとんど反応がない。自発運動はなく、深部腱反射・対光反射なども減弱ないし消失する。筋緊張が緩み、失禁状態となる。除脳硬直が起こることもある。呼吸、循環、体温調節などの植物機能にも変化が起こる。