脳幹型レビー小体



 パーキンソン病やびまん性レビー小体病のマイネルト基底核や黒質・青斑核などの脳幹神経核に認められる。
 脳幹型レビー小体は神経細胞の胞体内に円形で周囲に白く抜けた暈(halo)を伴う同心円状の封入体である。
 電子顕微鏡では、10nmφ前後の異常フィラメントが中心部では不規則に集簇し、暈に相当する部位では放射状に配列している。
 構成成分は、主なものとしてαシヌクレイン・ニューロフィラメント・ユビキチンである。
 レビー小体は、中枢神経系のみならず末梢の交感神経系、副腎髄質、腸管神経節にも存在し、皮膚生検や結膜生検、消化管生検でαシヌクレイノパチーを診断することが出来る。

substantia nigra

 パーキンソン病やびまん性レビー小体病では、レビー小体の前駆状態と考えられるpale bodyが認められる(左図)。
 胞体の中に淡明なびまん性構造として存在し細胞小器官を周囲に偏倚させている。αシヌクレイン陽性である。
 黒質や青斑核、迷走神経背側運動核では(右図)、メラニン含有神経細胞の脱落と共にメラニン顆粒が実質内に撒布され(フリーメラニン)、ミクログリアに貪食される(メラノファジア)。