中心性虎斑融解
主に大型運動ニューロンにみられるが、大脳皮質の錘体神経にもみられる。
軸索損傷の結果、軸索輸送が障害され、損傷の上流である神経細胞体の腫脹が起こる。
ニッスル小体の融解は核周囲から細胞体周囲に広がる。細胞膜近傍のニッスル小体は保持される。
神経核は細胞体周囲に偏位する。障害を受け数日で発現し、数週後にピークとなる。
虚血性変化と異なり可逆性で、細胞死がなければ数カ月で元の形態に戻る。
軸索の損傷は、神経細胞の細胞体に一連の形態的・生化学的変化を引き起こす。
これらは総称して軸索反応と呼ばれる。この変化には、細胞骨格の再配列に伴う
Nissl体の破壊と分散(中心性虎斑融解)、中間フィラメントの顕著な蓄積が含まれる。
軸索反応は、末梢神経系に投射する軸索を持つ大型のニューロンや、中枢に投射する大型の
ニューロンの一部で顕著である。
小さなニューロンや小脳プルキンエ細胞のような特定の大きなニューロンでは、
光学顕微鏡にて中心性虎斑融解は見られないが、電子顕微鏡や免疫組織化学ではその変化が見られる。