虚血性変化



 酸素供給の低下や酸化代謝の遮断による細胞の形態変化。
 8-12時間後に、神経細胞は萎縮し、角張った細胞体は好酸性となり、核は濃染し萎縮する。

 神経細胞は特に低酸素による損傷を受けやすく、以下のような特徴的な組織学的変化を引き起こす。
 ・小胞体およびミトコンドリアの腫脹による微小液胞化(電子顕微鏡レベルでのみ確認可能)。
 ・細胞体の収縮および細胞質のアシドフィリアの増加。
 ・核内クロマチンの縮合、核濃縮。その後、核内クロマチンが消失し、核の好酸球性が増加し、
 ・周囲の細胞質に融合したように見える(核の脱落)。

 同じような組織学的変化は、低血糖症や過剰な量の興奮性神経伝達物質への曝露によって、
 ニューロンに誘発されることがある。
 細胞ストレス蛋白質は低酸素障害の初期段階で発現し、免疫組織化学的手法によって実証される。

 低酸素障害に対して特に脆弱な脳の特定の部位の神経細胞は、以下の通りである。
 ・海馬のCA1野の錐体ニューロン
 ・大脳皮質第3層と第5層の錐体細胞
 ・小脳のプルキンエ細胞.
 小脳のプルキンエ細胞の低酸素感受性は乳幼児と成人で異なる。