膠芽腫
55歳 女性
主訴:頭痛,悪心・嘔吐
既往歴・家族歴:特記すべきものなし
現病歴:1年前より右上肢と下肢のしびれ感があったが放置していた.2ヶ月前より頭全体に鈍痛があり,1ヶ月前より頭痛は特に朝方強くなり,悪心,嘔吐を伴った.また食事をこぼしたり,行動異常がみられ,歩行時頻回に転倒するため入院した.
身体所見:意識清明.眼底にうっ血乳頭がある.眼球運動は右眼外転が不十分.瞳孔不同はなく,対光反射は正常.鼻口唇は左がやや浅い.額のしわ寄せは左右差がない..舌には麻痺はない.左不全麻痺がある.左深部反射は亢進,左Babinski,Chaddock徴候が陽性.感覚は正常.協調運動障害,項部硬直はない.歩行は片麻痺様.
検査所見:頭部CTでは右側頭葉を中心に頭頂葉にかけて辺縁の不整な一部高吸収域を含む低吸収域を認めた.周囲には低吸収域を認め,mass effectが著明でmidline shiftも存在.