脊髄小脳変性症31型



64歳 男性

主訴:ものが飲み込みにくい

既往歴・家族歴:父:30歳頃からめまい、40歳で歩行障害、構音障害、巧緻運動障害が出現。後に脊髄小脳変性症と診断される。嚥下障害が進行し、誤嚥性肺炎で死亡。弟、伯母も脊髄小脳変性症と診断されているらしい。

神経病理所見:脳重量1470g。肉眼的に小脳の萎縮は目立たない。組織学的には小脳虫部吻側を中心にプルキンエ細胞の脱落とempty basketsを認める。残存プルキンエ細胞の周囲にはamorphous material、ユビキチン陽性顆粒が散在する。他の小脳半球でのプルキンエ細胞脱落・変性所見は軽い。polyglutaminおよびataxin 3の細胞内蓄積を確認出来ない。脳幹・間脳・大脳基底核・大脳皮質に、目立った神経細胞脱落・グリオーシスを認めない。