動静脈奇形



15歳 女性

主訴:意識障害,頭痛,嘔吐

既往歴・家族歴:特記すべきものなし

現病歴:1歳頃,けいれん発作が起こり,その後も発熱すると同様なけいれん発作を起こした.5歳迄に約15回あった.5歳の時,脳波検査をうけてんかんと診断され,抗けいれん剤を服用し,12歳頃まで一度も起こらなかったので服用を中止した.中止後も発作なし.学校では水泳選手として活躍していた.本年7月7日,学校で昼食後,突然,激しい頭痛を生じ,悪心のためトイレに行こうとしたが, 頭を屈曲すると後頭部痛が増強.友人に支えられてトイレに行ったが嘔吐なし.トイレから医務室にきて横になった瞬間,嘔吐しついで意識を失った.

入院時所見:質問しないとウトウト眠ってしまう.名前や学校をきくと正しく答えるが,場所,時間の見当識は失われている.項部硬直およびKernig徴候陽性.眼底浮腫.腰椎穿刺で髄液は血性.

検査所見: 頭部CTにて左側脳室側壁に直径2cmの高吸収域を認め,左右側脳室・第3脳室・第4脳室に出血を認めた.左頚動脈造影にて角回動脈をfeederとし,動脈相でdraining veinが造影されており,動静脈奇形が疑われた.

治療:手術時,脳表から脳室壁に達する動静脈奇形を確認.運動領に近いが,はずれており全摘ができた.