パーキンソン病



59歳 男性

主訴:歩行障害

既往歴・家族歴:特記すべきものなし

現病歴:55歳頃から歩行にさいして右足をひきずるようになった.家人より動作が遅くなったことに気付かれており,また緊張時に右手に震えがみられた.この様な症状は徐々に増悪し,入院.

身体所見:表情に乏しい仮面様顔貌がみられ,発語はぼそぼそと小さく聞き取りにくい.小字症あり.前傾前屈姿勢がみられ,両肘は屈曲し,膝もやや屈曲.歩行は小股で上肢の振りが少ない.歩き出すと前へ突進していく傾向あり.頚部,四肢に固縮あり.四肢筋力低下なし.手首に歯車様現象を認め,両手に静止時振戦あり.四肢深部反射は正常.Myerson徴候陽性.小脳症状や感覚障害はない.便秘と抑鬱的な傾向を認める.

経過:L-DOPA補充療法,ドパミンアゴニストにて治療したが,徐々に症状は進行し,64歳より寝たきりとなった.嚥下性肺炎を繰り返し,最終的に敗血症となり65歳で死亡.


synuclein pathophysiology
Braak & Braak theory