脳梗塞



78歳 女性

主訴:意識障害,言語障害,右片麻痺

既往歴・家族歴:心房細動

現病歴:午後1時頃居間でテレビをみていた.トイレに行こうとして,立って歩き始めてから突然倒れた. 家人が呼びかけたが答えず,何も言わなかった.始めは両手足を動かさなかったが,5〜6分後には左手足は動かしていたようだったと家人は言う.嘔吐,けいれん,尿失禁などはなかった.

入院時所見:意識は昏迷状態であるが,失語症のためハッキリした判定は不能.失語は発語・理解とも悪い. 左へ向かう共同偏視が存在.瞳孔3mm正円,対光反射正常,瞳孔不同なし.右中枢性顔面神経麻痺あり. 右上下肢とも弛緩性完全麻痺で深部腱反射は消失,右バビンスキー徴候陽性.左上下肢の腱反射正常.

入院後経過:発症3日目より意識状態が悪くなり,左瞳孔散大.四肢麻痺となった.CTにて,左大脳半球の著明な腫張を認め,正中が右へ約10mm偏位.中脳の圧排・変形を認めた.脳圧を下げる治療をおこなうも,反応なく死亡.剖検となった..

入院後,診断確定のため筋生検術施行.