肥胖性星膠腫 HE



27歳 女性

主訴:頭痛

既往歴・家族歴:特記すべきものなし

現病歴:2年前の1月27日(当時,妊娠9ヶ月)にテレビを見ている時に突然全身けいれんを起こした.これより数日前より頭痛があり,これが次第に増強していた.洗濯機の使い方がわからなくなったりしたこともあった.直ちに産婦人科病院に入院,神経学的検査を受けたが,特に異常は発見できなかった.その後,投薬を受け,頭痛およびけいれん発作はコントロールされ,2月末に正常時出産.妊娠中は上記のエピソード以外に,血圧,尿を含め特に異常はなかった.出産後は特に投薬を受けなくとも,頭痛,けいれん発作などはなく,順調な経過であった.それから1年10ヶ月後の12月20日頃,拍動性の頭痛が出現.頭痛は突然起こり,数時間持続後に消失,を繰り返し,頭痛部位は不定であった.翌年1月末に当院脳外科受診.

身体所見:両側うっ血乳頭.左深部反射亢進.左病的反射陽性

CT所見:幅の広いlow densityが右頭頂回を中心にドーナッツ状(一部欠損)に広がり,前方は前頭後部,後方は後頭の前部にまで,下方は側頭葉の上部におよんでいる.その内部は正常組織よりやや高吸収域で,造影CTでは著明なenhanceが認められた.