危険を予測・回避するポイント 命はひとつ!

【制作意図】

死亡事故は減少傾向にありますが、それでも悲惨な交通事故は毎日起きています。命は取り留めたものの重い障害に一生苦しむ方々も後を絶ちません。事故を起こさないためには、交通ルールの遵守はもちろんのことですが、危険の予測と回避を確かなものにすることが求められています。この作品では、危険を予測し回避する能力を確かなものにするポイントを、実際に起きた事故の映像から学んでいきます。一時停止の確実な実行、適切な車間距離と安全速度、見通しの悪い所での減速、そして見込み違いや見落としの可能性を常に意識するなど、一見当たり前と思われる運転の基本をしっかり守ることが事故防止には欠かせないことを強調します。また、交通事故で重度の後遺障害を負った方、それを支える家族の懸命な姿を通して、事故の恐ろしさと命の大切さも訴えます。

*主な内容*

◆交通事故の恐ろしさ!

交通事故による死亡者の数は減少傾向にあるが、いまだに一日平均約12名以上の人が亡くなっている。 ”いのちのミュージアム”(東京都日野市)には尊い命を交通事故で奪われた犠牲者たちの生きた証しである靴や、等身大の人型パネルが展示され事故防止を呼びかけている。

◆「遷延性(せんえんせい)意識障害」?

「遷延性意識障害」とは脳に損傷を受け、意識が戻らない重症な意識障害のことである。 独立行政法人・自動車事故対策機構 中部治療センターでは、交通事故で命は取り留めたが意識が戻らない遷延性意識障害の方々の治療と看護を行っている。 医療・リハビリ・介護と高度のケアを必要とする遷延性意識障害者を受け入れている病院は極めて少ないのが現状である。

◆命はひとつ!

澤野祐輔さんは18歳の時に交差点をバイクで直進中に右折乗用車と衝突した。意識障害を負ったまま14年間寝たきりの状態である。両親の懸命の介護が続いている。 母親の真寿美さんは、「介護は大変だったけれど…、重い障害を負ったけれど、生きていてくれてよかった」と語る。真寿美さんは全国遷延性意識障害者・家族の会で事務局を引き受け、同じ悩みを持つ人々のために活動している。

◆事故を起こさないためにどんな運転が求められるのか

ハンドルを握った瞬間から、誰もが交通事故の加害者あるいは被害者になる可能性がある。事故を起こさないためには、交通ルールを守り、危険を確実に予測し回避することが大切である。あなたの危険予測と回避は確実だろうか?

◆危険の予測と回避を確実にするポイント

ドライブレコーダなどがとらえた実際の事故映像を見ながら、危険の予測と回避を確かなものにするポイントを学ぶ。

事故発生の直前で画面を止めて、「どのような危険を予測するか」と視聴者に問いかけ、考えてもらう形式で学習していく。

●事故映像:見通しの悪い交差点での乗用車同士の事故

ポイント①一時停止は徐行ではない。一時停止交差点では、停止線の直前で確実に停止し安全を確認する。

●事故映像:一般道と夜の高速道路で発生した追突事故 ポイント

②前の車が急停止したり、減速しても追突を回避できる速度に応じた車間距離を保つ。

●事故映像:見通しの良い交差点での衝突事故

ポイント③「こちらが優先だから」と油断しない。たとえ相手が危険な行動をとっても事故を回避できる慎重な運転をする。

●事故映像:飛び出し事故(夜の市街地を走行中、飛び出した子どもをはねてしまった)

ポイント④自転車、歩行者が飛び出してきても、安全な措置をとれるように速度を落とし、いつでもブレーキを踏める状態(構えブレーキ)で用心する。

●事故映像:見落としによる事故(横断歩道の歩行者を見落としてはねてしまった)

ポイント⑤右折・左折は大丈夫と思ってももう一度安全確認を行う。

◆ドライブレコーダを活用する安全運転教育

島崎敢先生(早稲田大学人間科学学術院)はドライブレコーダの画像を使って安全運転教育を行っている。先生自身の車のドライブレコーダがとらえた「ヒヤリ、ハット」映像を分析、事故につながる危険な要素について注意を喚起する。また、「早く行きたい」の心理状態がもたらす危険についても考察する。

◆交通事故防止の決め手

道路は自動車だけのものではない。自転車、歩行者を含めたみんなのもの。事故を起こさない、相手にも起こさせない運転が求められている。交通ルールを守り、安全運転の基本を確実に実践することが交通事故防止の決め手である。確かな危険予測と回避で事故のない安全な交通社会を共に目指していきたい。


なお、本映像の販売価格等は下記リンク(企画・制作)のとおりですが、交通科学学会の会員等が交通科学学会経由で購入申込をされる場合は、各価格から20パーセント値引きした価格で購入できますので、購入希望者はご利用ください。

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