ごあいさつ

日本テスト学会第10回大会を東京医科歯科大学で開催させていただくことになりました。2011年3月11日の東日本大震災の後遺症も残る中,電力供給不足もあり,大会の運営には不安な要素も多いのですが,「テスト」という人物評価の観点から極めて重要な課題に真正面から取り組むことに意義が大きく,8月21,22日に開催することに致しました。

今回のテーマは「パフォーマンス評価の未来」で,論文の自動採点,面接試験の評価などに加え,体操競技の採点,さらに医療系大学での開催との意味から,看護系の実技評価,医学系の臨床能力評価などを公開シンポジウムの形式で企画しました。また,10回大会という節目に当たり,前日本テスト学会理事長池田央先生には記念講演をお願いし,そのほか「大会実行委員長講演」,「大規模試験の改善点と今後の展開」,「マルチメディア教材の効果的な活用方法とテストへの応用可能性」などの企画セッションも計画しております。

大会は猛暑の最中で,かつ東京医科歯科大学という小さな大学での開催で,ご参加の方々には何かとご不便をおかけするかもしれません。しかし,こぢんまりしているだけに,活発な討論が期待できると考えております。また,東京都心にあり,JR,私鉄,航空機のいずれを利用されても交通至便な位置にあります。どうぞテスト開発や実施,利用等に参加されている研究者,企業の皆様方におかれましては,多数の演題ご発表と,ご出席を心からお願い申し上げます。

なお,今大会の企画・運営は大会実行委員の献身的な努力で行われていることを申し添えます。

テストは場合によっては人物の将来を左右することもあり,影響力は強いものです。より理論的で適切な人物評価法を確立するためにも,みなさま方のご参加,ご議論を大会準備委員一同,心からお待ちしております。

日本テスト学会第10回大会実行委員長
東京医科歯科大学医歯学教育システム研究センター
奈良 信雄