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17回家庭医の生涯教育のためのワークショップ
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● 11月7日(1日目)
誰も教えてくれなかった診断学 実践編 〜診断推論の考え方

名古屋第二赤十字病院 救急・総合内科   野口善令氏

 何故ジェネラリストに診断推論の考え方が必要なのか、臨床にどう役立てるのかについての講演です。
  前半は、症例を呈示して、鑑別診断をどう考えるのか、鑑別診断のリストを作るコツ、その鑑 別診断をどうやって確定診断または除外診断に持ち込むのか、診断推論の思考プロセスをなぞり ます。
 後半は、スナップ診断(パターン認識)について、どういうものなのか、どうやったら上達するか、 pitfall は何かなどを解説します。

● 11月8日(2日目)
1. 感染症Q&A
 今更聞けないAレベル、知っとくとレベルアップのBレベル、飲み会ネタのこだわりCレベル

神戸大学 感染症内科   岩田健太郎氏

3世代のセフェムってどう使い分けるの?ツ反の判定ってどうやる?いつ培養検査をだすの?今更聞けないコモンな感染症プロブレムをここで大掃除しておきましょう。年に数回くらいかもしれないけれど、ここぞというとき役に立つ知識もつけておきましょう。まあ、知っていて役に立つとは思えないけど、これをしっときゃあなたも感染症オタク、合コンで披露すれば「へえーー」と驚かれること間違いなし!(どん引きされるもほぼ間違いなし…)。いろいろなレイ ヤーの質問をA, B, Cと3パターンに分けて取り組んでみましょう。会場からの飛び入り質問も 大歓迎です。

2. 詰め合わせ老年医学 〜よくある問題を中心に〜

松前町立松前病院   木村眞司氏

 老人でよくある病気や症状、そして老年医学のいくつかの原則についてご一緒に楽しく勉強しましょう!一部クイズ形式で行います。

3. 全ての家庭医が禁煙支援を!

禁煙マラソン事務局長   三浦秀史氏
奈良女子大学   高橋裕子氏

 禁煙支援は様々な疾患予防のために重要な医療行為です。また、禁煙することで多くの既往症の改善が期待されます。そのためにも、全ての家庭医が禁煙支援に携わって頂きたいと思います。 しかし、禁煙支援は難しい、何をすればいいか分からないという医療関係者も少なくありません。 禁煙支援に専門医など要りません。禁煙支援を開始するためのコツをお伝えします。明日から出 来る禁煙支援を学んでください。

4. 住み慣れた家で死ぬということ 〜みとり人としての医師〜

さくらいクリニック   桜井 隆氏

“往生際のサポート”
 人生をフライトにたとえるなら終末期は目的地への着陸である。癌末期の場合は着陸地とその時刻がある程度予測可能だが、多くの非癌患者の場合、その着陸地さえ明らかでなく、低空飛行 ながら結構長時間のフライトであったり、あっという間に墜落したりしてしまう。入院?そのまま在宅で?在宅での終末期の迎え方には我々医療者の関わりも大きく影響してしまう。住み慣れた家での大往生とは?そしてみとる医師の役割とは?そんな答えのない問いをみんなで考えるセッションにしたい。

5. 無床診療所で、どこまで癌と関われるか
 〜癌のプロではない医者の地域に対するプロフェッショナリズム〜

おおい町国保名田庄診療所   中村伸一氏

 特に癌を専門としないプライマリ・ケアの実践の中で、どこまで癌等の悪性疾患と関われるでしょうか。平成3年に赴任して以来の当診療所での関わりは、(1)早期発見への努力、(2)手術・ 内視鏡治療への参加、(3)外来・在宅化学療法の実施、(4)在宅緩和ケアの実践などです。優れた技術や崇高な理念、高い倫理性など持たなくても、地域に対する少しばかりの責任感と親切心が あれば、かなり癌と関われると考えています。

6. アレルギーの診方考え方

聖路加国際病院   岡田正人氏

 「アレルギーかな?」と思ったら、まずはI 型の即時型アレルギーか、それ以外の非I 型かを区別して考えるだけで、診察、検査、治療の選択がスッキリと見えてきます。実際の外来で使われることが多いRAST 検査に関しては、たとえば「小麦のクラス4と卵のクラス2のどちらが重要か?」など、いつ何をオーダーし、どのように読むかまでを解説します。喘息と鼻炎の治療の相互効果、患者に誤解を与えないアレルゲン曝露の指導方法、アナフィラキシー治療の原則など、各アレルギー疾患の外来診療における原則を網羅します。

7. アドバンスド身体診察法

筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター・水戸協同病院総合診療科   徳田安春氏

 日常診療における基本的臨床能力の基礎として、「バイタル・視・打・触・聴診」によるアドバンスド身体診察法について症例ベースに解説し、模擬患者を相手に実際の診察手順のデモンストレーションを行います。身体診察法では画像や検査ではしばしば捉えられない決定的に重要な所見を拾い上げることができ、離島・僻地・在宅・施設・災害・グローバル医療などの環境において威力を発揮します。

8. 家庭医のための女性診療ガイド

隠岐広域連合立 隠岐病院 産婦人科   加藤一朗氏

 病院内科医、診療所プライマリケア医から産婦人科医に転向し早4 年が経ちます。内科医・プライマリケア医の頃は、産婦人科疾患は全て産婦人科医に任せて自ら診療することを躊躇していた自分でしたが、一次診療にかかわる医師にとって女性の悩みや疾患に対応していく必要があり ます。自らの経験から女性診療ガイドのエッセンスを紹介し、当院で経験した他科受診後に当科 受診した症例を提示しディスカッションしたいと思います。

9. 5分診療でできる関節リウマチのみかた 〜Hands-Onセッション〜

聖路加国際病院 アレルギー膠原病科   岸本暢将氏

 リウマチ性疾患・筋骨格系疾患の診断は難しい、と考えている医師は非常に多いようです。日常よく遭遇する関節痛患者に対するアプローチとしてまずは病歴聴取・身体診察で的をしぼることからはじまります。今回は特に頻度の高い関節リウマチを中心に去年同様みなさまで身体診察を実際に体験していただきます。

10. 足関節捻挫 〜レントゲンいらずの超音波画像診断〜

城東整形外科   皆川洋至氏

 足関節を「捻る」、「挫く」で外来受診。単純X線写真で異常なし。これを「足関節捻挫」と診断していませんか?小学生の捻挫のほぼ100%が前距腓靭帯の裂離骨折、中年女性の捻挫の多くが踵骨前方突起骨折、第5中足骨基部骨折で、足関節捻挫の4割に骨折が隠れています。本WSでは、足関節捻挫で生じる靭帯断裂や裂離骨折の正確な超音波画像診断法を、ハンズオン形式で 学習します。

11. SEA(Significant Event Analysis)を初期・後期研修医の臨床推論能力向上にどう活用するか?
  ─ 当院におけるヒヤリハットカンファレンスの実演と運営のポイント ─

北海道勤医協中央病院 総合診療部   松浦武志氏

 成人教育の過程で 「振り返り(Refl ection)」 は非常に大切とされる。また、 振り返りの手法として、SEAは効果的とされている。当院ではこの手法を初期・後期研修医の臨床推論能力向上に 応用するため、ヒヤリハットカンファレンスを 1-2回/月で定期的に実施している。その1例 の実演を通して、カンファレンスの運営のためのポイントを共有し、当院やWS 参加者各施設ご との課題点を明らかにし、研修医教育の質の向上を目指す。

12. 虫や動物による皮膚疾患

赤穂市民病院 皮膚科   和田康夫氏

 虫や動物による皮膚疾患として、身近なテーマを取り上げます。疥癬の簡便な診断法は?マダニに食いつかれたときの対処法・注意点は?どういったときにライム病や日本紅斑熱といったマダニ媒介疾患に注意するのか?スミスリン抵抗性のアタマジラミ症に遭遇したときに対応は?ク ラゲや魚に刺されたときの治療は?など、ありふれていながら対応に困る疾患について紹介します。今年も写真満載で用意いたしました。

13. こころと体いずれにも偏ることなく人を診る

関西医科大学心療内科学   福永幹彦氏
阿部哲也氏
水野泰行氏
滋賀医科大学総合診療部   西山順滋氏

 心療内科では、体とこころの双方いずれにも偏ることなく病態を診立てます。我々医師は身体症状または精神症状の診立てには慣れており、標準的な医療も存在します。ところが体とこころが相互に関与しあった病態はすぐれて個別的で、病態を診立てるためにはトレーニングが必要です。当日は、チューターを交えた小グループでの検討を通して、家庭医療に役に立つ心療内科的な技能や態度のスキルアップを目指します。

14. なぜ診断を誤るのか?認知心理から考える症例検討

江別市立病院・総合内科   濱口杉大氏
札幌医大・総合診療科   宮田靖志氏

 診断エラーを分析してみると、認知心理的要因が関与しているケースが7割以上に及ぶそうです。 知識が足りないのではなく、情報をどのように解釈するのかが鍵なのです。私達はどうして誤っ た解釈をしてしまうのでしょうか?このセッションでは、うまく診断ができなかった症例を振り返り、その時にどのような心理的な要因(ヒューリスティック、バイアス、認知反応傾向)が働いていたのかを考え、誤診を防ぐ考え方を学んでいきます。

15. Story based medicine への招待

公立芽室病院 内科   菊地英豪氏
大西幸代氏

 「なぜ、映画を観ると感動するのか」
 現代映画(特にハリウッド)は、「Hero’s journey」というコンセプトに基づき構成されている。 登場人物各々が闘い、成長し、目的を果たし、そして日常に戻る。このstory 理論が今、様々な分野で応用されている。前半では「Hero’s journey」コンセプト、利用例を紹介し、後半では医療分野において患者側、医療者側の双方にとってどのように応用できるかを皆さんと一緒に考えたい。

16. ITを使った楽しい診療 〜画像ファイリングシステムで診療は変わるか?〜

医療法人 中西内科   中西重清氏

 当院では8年前より、診療記録として画像ファイリングシステム(RS_Base)を使用している。 当初は、レントゲン写真、心電図、胃内視鏡、エコーなどの静止画像を主体に保存を行っていた。 その後、皮膚や咽頭部病変の保存を開始し、最近では静止画像のみならず可能な物は動画での保存を開始した。特に診察時における主症状の動画撮影は有用である。これは患者さん自身の過去 における記録としてお役に立てるだけでなく、主治医自身の記憶にも残る。さらには医療技術の向上、医学生や研修医の医学教育にも利用できる。個人情報保護の観点から考えると厳重な管理が必要であるが、今後の診療の1つの方法と考える。

17. もっと「航空機内医療」について知ろう!

医療法人篤友会 関西リハビリテーション病院   佐藤健一氏

 飛行機のおかげで世界中どこにでも行くことが出来るようになった今、自分が診ている患者さんが海外に行くことも当たり前のこととなっています。そのような中、海外旅行について外来で 相談を受けても安心して見送れるよう、体や慢性疾患におこる影響を知っておくことは重要とな ります。今回は、機内での医療支援体制、搭載されている医薬品や医療器具の紹介、遭遇しやす い病態について説明いたします。また、機内の換気システムについて新たに書き加えています。 新型インフルエンザの時に、全ての乗客を隔離しなくていいかの理由がそこにあります。機内で急変が起こったときに、心構えが出来ているように知識を得てみませんか。

18. 頚椎のみかた

西伊豆病院   仲田和正氏

 頚椎疾患は、特に交通事故がらみで外来では大変多く、 日常診療では欠かせません。 また寝違 えのような突然の頸部痛もよく経験します。 重要なポイント、X線でのチェックポイントなど 診療に役立つノウハウを解説いたします。

19. 住民と行政を“変える”ワークショップ
  〜住民、行政、医療の三位一体による理想の地域医療を目指して〜

福井大学医学部地域プライマリケア講座/ 高浜町国民健康保険和田診療所   井階友貴氏
福井大学医学部地域プライマリケア講座   羽山貞宏氏
福井県高浜町   日村健二氏
千葉県立東金病院/NPO 法人「地域医療を育てる会」   古垣斉拡氏
県立柏原病院の小児科を守る会   丹生裕子氏

 地域を良くしたいと奮闘している家庭医の皆さん、住民・行政の非協力を思い悩むことはあり ませんか?地域医療の主役が協力しないのでは、理想的な医療は生まれませんよね。
 このWSでは,先進的な住民・行政活動を行っている地域の住民・行政・医療の代表と,三者が一体となるために何ができるか、どうするべきか、アドバイスをいただきながらディスカッションします。自分の地域を“変える”方略を見つけましょう!

20. Psychiatry in Primary care(PIPC)体験コース

信愛クリニック   井出広幸氏
宮崎医院   宮崎 仁氏
麻生飯塚病院総合診療科   井村 洋氏
広島大学病院総合診療科   溝岡雅文氏

 日々の診療の中で精神科・心療内科・心理学的な問題に直面されたご経験はありますか? PIPCは、内科医が精神科的診療を実践するために体系だった知識を身につけることができるよ うにデザインされた教育訓練プログラムです。今回のセッションは、精神科診療に関する知識経験がゼロの状態である家庭医のみなさまに、PIPCの基本を体験していただくために企画いたし ました。「心療を実践したい!」と希望している医師なら、どなたでも歓迎いたします。

21. 診断入門

金沢大学医学教育センター准教授   松村正巳氏

 診断のプロセスは決して易しくはありません。また、学ぶことにも時間を要します。しかし、多くの医師が、正しい診断に至るプロセスこそが、診療における最も興味深い部分であると気づ いているはずです。診断確定のために最も大切なのは経験であり、決して本から学べるものではありません。今回は、1症例を呈示させていただきます。診断確定に至るプロセスを一緒に考えてみませんか。

22. 生きる力〜ライフスキルを学ぼう

三重大学総合診療科   稲田美紀氏
三重大学総合診療科   横谷省治氏

 思春期には喫煙、アルコール、性など様々な問題がおこります。これらの根底には、ライフスキルの未熟さがあります。ライフスキルを育むことで問題行動は減少し、セルフ・エスティームや好ましい行動などは増加します。また家庭医にとって、ライフスキルを学ぶことは大人へのケアにも大いに役立ちます。
 このワークショップでは、ライフスキルの基本を学ぶとともに、ロールプレイやケーススタディを通してライフスキル教育を考えます。例えば外来でこんな場面はありませんか?子育ての 悩みについて相談された、人間関係やメンタルの問題に悩んでいる、問題行動や誘惑に打ち勝ってほしい。こんな時の考え方に幅が出ますよ。

23. 『 ○十の手習い』大歓迎! 現場の症例から実践的に身につく家庭医療学

ファミリークリニックなごみ   大島民旗氏
奈良市立月ヶ瀬診療所   藤原靖士氏
内山クリニック   内山富士雄氏

 家庭医療を専門的に研修していないけれど、現場に出てから家庭医を意識し始めたいわゆる“おじおば家庭医”の方々を主な対象にしたセッションです。リラックスした雰囲気で現場のケースを元に意見交換し、自分たちの経験と、家庭医療学の理論とを共有していきませんか?“おじおば”の悩みを(温かく)聞いてくれる若手の先生方も歓迎です。

24. 子どもの学校・医療現場での事故について、理解を深めませんか
 〜責任がある場合とない場合〜

うめもとこどもクリニック   梅本正和氏
佐野・法常法律事務所   佐野久美子氏

 医院の待合室で、子どもがおもちゃを投げ、横にいた子の目 にあたって重篤な外傷を起こした場合、院長の責任はありません。しかし、普段から多動がみられ、危害を加えた場合、院長の注意義務違反が問われる場合があります。医学部では、司法の教育はされません。判例、自験例を 題材にして、事故について考えたいと思います。今回は、医療事故にあった患者さんの思いを聞 いて頂きたいと思い、法律家からのお話も用意しました。

25. 臨床研究初学者のためのWS「質的研究「超」入門:医師が行うリサーチインタビューの実際」

独協医科大学公衆衛生学准教授   高橋 都氏
東京大学グローバルCOE「死生学の展開と組織化」研究員   会田薫子氏

 質的研究の書籍は数多くありますが、実際の進め方の詳細を学ぶ機会は限られています。本ワークショップでは、調査者を医師と想定して、1.質的研究になじむリサーチクエスチョンの設定、 2.分析する価値のあるインタビューデータのとりかた、3.各種分析手法の概説、4.論文執筆から 出版のノウハウなどについて、参加者の疑問に最大限答えることを目指します。講師との双方向 的なやりとりを通じて、日頃の疑問を解決してみませんか。

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