厚生労働省 地域におけるかかりつけ医等を中心とした心不全の診療提供体制構築のための研究

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  • 2020.06.30
    研究班のメンバーの論文が Circulation Journal に掲載されました。
    Kamiya K, Yamamoto T, Tsuchihashi-Makaya M, Ikegame T, Takahashi T, Sato Y, Kotooka N, Saito Y, Tsutsui H, Miyata H, Isobe M. Nationwide Survey of Multidisciplinary Care and Cardiac Rehabilitation for Patients With Heart Failure in Japan - An Analysis of the AMED-CHF Study. Circ J. 2019; 83(7): 1546-1552.

 循環器診療施設における心不全患者への多職種介入や心臓リハビリテーション(心リハ)の実施状況をAMED(磯部班)研究事業の一環として研究しました。288ヶ所の日本心不全学会会員が所属する病院にアンケート調査を行いました。

 その結果、入院中の心不全患者に対して何らかの多職種介入を実施している病院は78.5%と高かったのに対し、外来では32.6%にとどまっていました。心リハを実施している施設の割合も、入院で80.4%、外来で56.5%と、外来では実施割合が低いことがわかりました。

 一方、調査期間に急性心不全で入院した約5万人の患者さんのうち、入院、外来を通じて心リハを実施した患者さんは7%と極めて低く、入院と外来いずれにおいても心リハを実施していない患者さんは60%にのぼることがわかりました。

 心不全患者さんに対する多職種介入や心リハは再入院予防や生活の質の向上に有効で、各国のガイドラインでも標準的な治療の一つとして推奨されています。本研究から我が国における心リハ導入率がとても低いことが分かりました。今後はより多くの心不全患者さんに有益なケアが届けられるよう務めることが必要です。