関連情報
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- 2020.06.29
- 研究班のメンバーの論文が Circulation Repots に掲載されました。
- Kitagawa T, Hidaka T, Naka M, Nakayama S, Yuge K, Isobe M, Kihara Y, for the REAL-HF investigators. Current Medical and Social Issues for Hospitalized Heart Failure Patients in Japan and Factors for Improving Their Outcomes ― Insights From the REAL-HF Registry ― Circ Rep 2020; 2: 226-234.
日本における心不全患者の最新の医学的かつ社会的実態と転帰を改善させる因子について
-広島県REAL-HF研究からの知見-
広島県では、「心臓いきいき推進事業」として県内8か所の医療機関に多職種メンバーで構成される心臓いきいきセンターを設置し、心不全患者のためのチーム医療、心臓リハビリテーションを推進しています。2017年3月からの1年間にこれらの医療機関に入院し、治療を受けた合計1218名の心不全患者について、その医学的、社会的実態を明らかとするために、広島県およびAMED(磯部班)からの援助のもとに調査研究を実施しました。対象者の平均年齢は79歳で、85歳以上の超高齢者が約4割を占めるなど、心不全患者の顕著な高齢化が明らかでした。また、自宅退院できた患者でも、その半数近くが1年以内に何等かの有害事象(心不全または併存症による死亡もしくは予定外の再入院)を起こしており、一方、外来通院を通した心臓リハビリテーション(外来心リハ)を完遂(5か月プログラム)した患者群では、そのような有害事象が非常に低く抑えられていました。ただ、外来心リハの導入率が約10%、完遂率が約5%と低い水準に止まっていました。
本研究結果は、我が国、特に地域における昨今の心不全患者の実態を示す重要な成果です。今後外来心リハの推進など、心不全診療の質向上に繋がる資料となることが期待されます。