◇2024年度「NHKアーカイブス学術利用」公募開始
NHKでは、アーカイブス保存の映像・音声を学術研究に利用していただく研究を募集しています。
採択研究者は、東京・NHK放送博物館、埼玉県川口・NHKアーカイブス、大阪放送局の閲覧室で希望のコンテンツを閲覧することが出来ます。
○2024年度閲覧期間 2024年10月~2025年3月(1組30日まで利用可)
○対象者 大学、高等専門学校、公的研究所所属の職員・研究者、大学院生
○締め切り 2024年8月19日
○募集数 放送博物館6組、NHKアーカイブス4組、大阪放送局2組
応募要項はホームページをご覧<ださい。
https://www.nhk.or.jp/archives/academic/index.html
◇「ヘルスコミュニケーションウィーク2025東京・本郷」についての情報は、会場確保の都合により、2025年3月より、提供を開始いたします。恐縮ですが、しばらくお待ちください。
◇2024年9月28~29日、慶應義塾大学日吉キャンパス独立館にてヘルスコミュニケーションウィーク2024が開催されます。
今大会の統一テーマは、「生活の場と保健・医療・福祉をつなぐヘルスコミュニケーション」です。
◇コミュニケーション誌シーマニアVol02 が発行されました。目次は、会員以外の方もご覧になれます。
旧日本ヘルスコミュニケーション学会は、2022年4月より、ヘルスコミュニケーション学関連学会機構に改組いたしました。旧ヘルスコミュニケーション学会の分科会(日本ヘルスリテラシー学会、日本メディカルコミュニケーション学会、日本医療通訳学会、日本ヘルスマーケティング学会、日本医学サイエンスコミュニケーション学会)は、本機構の分科会となりました。また旧医療コミュニケーション研究会が日本医療コミュニケーション学会と名称を変更し、本機構の分科会となった他、新たに分科会として、日本ヘルスコミュニケーション学会(旧日本ヘルスコミュニケーション学会とは別の位置づけ)を創設いたしました。前身の旧日本ヘルスコミュニケーション学会は日本学術会議協力学術研究団体でしたが、ヘルスコミュニケーション学関連学会機構も引き続き、日本学術会議協力学術研究団体となっています。
旧日本ヘルスコミュニケーション学会を中心として、その旧分科会をすべてヘルスコミュニケーション学の下位の学問領域の学会として見做すことも不可能ではありませんが、学問領域を表現する個々の用語には、様々なニュアンスの違いがあるため、各学問を直截的に広義のヘルスコミュニケーション学の一部であると位置づけしまうよりは、ヘルスコミュニケーション関連領域として緩やかに位置づけ、一定の独立性を維持しながら、発展と相互交流を図る方が望ましいと考えました。
ヘルスコミュニケーション学関連学会機構は、ヘルスコミュニケーション学に関連した学会の会員管理、会費徴収、会員サービスを担当し、各学会の合同大会であるヘルスコミュニケーションウィーク(HCW=Health Communication Week)を主催します。各分科会は、各種学術集会の企画・立案、学術雑誌の編集等を担当します。
各分科会の概要は、下記より各学会のホームページをご参照ください。
ヘルスコミュニケーションに関与するのは、医療者と患者・市民です。両者の関係するコミュニケーションには、医療者間、医療者-患者・市民間、患者・市民間の3通りが想定し得ます。これらは、すべて広義のヘルスコミュニケーションに該当すると考えました。一方、医療者-患者・市民間及び患者・市民相互間のコミュニケーションのうち、疾病治療・予防のためのコミュニュケーションをヘルスコミュニケーションと呼ぶことが通常です。また医療者から患者・市民へのコミュニケーションのうち、疾病の治療や予防が目的ではなく、医学という学問の面白さを認知してもらうことやその社会におけるあり方を患者・市民と一緒に考えることを目的としたコミュニケーションは、医学サイエンスコミュニケーション(医学のサイエンスコミュニケーション)と呼ばれるのが妥当であると考えます。医療者間のコミュニケーションは、上級の医療者が下級の医療者や学生に行う教育・研修、医療者間の組織コミュニケーション・チーム医療、新しい医学知識・技術の医療者への普及広報活動等が考えられますが、こちらはヘルスコミュニケーションや医学サイエンスコミュニケーションと区別して、メディカルコミュニケーションと呼ばれるのが妥当であると考えます。
通常のヘルスコミュニケーションは、医療者と患者・市民の相互的なコミュニケーションですが、医療者の視点からみたものが狭義のヘルスコミュニケーションです。一方、患者・市民の視点や能力に注目する場合には、患者・市民の(通常の意味での)ヘルスリテラシーと呼ばれることが一般的です。また医療者側が分かりやすく患者や市民にヘルスコミュニケーションを行う能力のことを医療者側のヘルスリテラシーと呼ぶ立場もあります。この場合、患者・市民のヘルスリテラシーと医療者のヘルスリテラシーを総称して、広義のヘルスリテラシーとなり、これは通常のヘルスコミュニケーションとほぼ同義となります。
医療者の視点による狭義のヘルスコミュニケーションは、医療機関・官公庁・NPO等の組織の責任者により立案された戦略を意味するヘルスマーケティングと個別の担当者の戦術を意味する最狭義のヘルスコミュニケーションに分けることができます。ヘルスマーケティング(戦略)と最狭義のヘルスコミュニケーション(戦術)を合わせて、広義のヘルスマーケティングと解することが可能であり、この場合には、狭義のヘルスコミュニケーションと広義のヘルスマーケティングはほぼ同義と考えてよいと考えられます。
ヘルスコミュニケーションという言葉は、通常、メディアによるもの、対人によるもの、メディア・対人複合によるもののすべてを指しますが、通常、医療コミュニケーションといった場合には、医療機関における医療者-患者・市民の対人コミュニケーションを意味します。一方、対人の医療コミュニケーションに対して、メディアによるヘルスコミュニケーションを狭義のヘルスコミュニケーションという場合があります。
医療通訳という概念が生まれたのは、外国人に対する医療提供という現実の問題に対応するために医療通訳の技能を有する専門職が必要であるということによっています。通常のヘルスコミュニケーションでは、医療者と患者は同一の国(文化)に属し、同一の言語でコミュニケーションを行うことが想定されるのに対して、医療通訳では、異文化のコミュニケーションと医療者の母国語(日本国内の場合には日本語)以外の言語によるコミュニケーションがなされます。このように医療通訳は、通常のヘルスコミュニケーションの困難さに加えて、異文化コミュニケーションと外国語によるコミュニケーションの困難さという2つの困難の克服が必要な高度のヘルスコミュニケーションと位置付けられます。