講座教授挨拶


講座教授挨拶
Greeting


南口 早智子
病理診断学講座教授/病理部部長

 病理医は、患者さんを直接診察はしませんし、言葉を交わすこともありませんが、一番近くで患者さんの病気を見ています。

 患者さんの病変部から組織の一部を採取して、薄く切ったり、染色するなど加工して、顕微鏡で見て”病理診断”を行うのです。良性か悪性か、どんな種類の感染症か、治療に反応しているのか、など治療方針を決めるための生検や細胞診と、手術標本で、進行癌か早期癌か、取り切れたのか、術後に放射線治療や化学療法が必要な状況か、リンパ節転移はあるのかなど、治療や予後に関連する因子を判断しています。

 藤田医科大学は全国有数の患者さんも手術も大変多い病院であり、私たちの仕事も並大抵の仕事量ではありませんが、やりがいを感じて日々取り組んでいます。また、Doctor for Doctorとも呼ばれ、ほぼ全科の医師と一緒に患者さんの診断に取り組みます。診断が難しい病気や非常に稀な病気の場合は、病理医同士のネットワークが日本全国および海外のスペシャリストともつながっており、情報交換や相談ができる状況、システムが作られれています。患者さんが適時に最も妥当な医療が受けられるよう病理診断を行うこと、それが行えるよう常に情報や施設のアップデートを行い、良い病理医を育てること、自分自身の向上を継続して行うことに尽力したいと考えています。

2024年7月
南口早智子

教授経歴

1988年

京都教育大学教育学部附属高等学校 卒業
滋賀医科大学医学部 入学

1994年

滋賀医科大学医学部 卒業
京都大学医学部附属病院研修医(病理部)

1996年

京都大学大学院医学研究科博士課程 入学

2000年

京都大学大学院医学研究科博士課程 卒業
授 京都大学医学博士
洛和会音羽病院病理部 医長

2001年

京都大学医学部附属病院病理診断科 助手

2002年

アメリカ サウスカロライナ医科大学病理部 留学

2004年

京都医療センター病理診断科 医長

2011年

京都大学医学部附属病院病理診断科 准教授

2024年

藤田医科大学医学部病理診断学講座 教授