検 査 Inspention
気管支鏡
気管支鏡検査
肺または気管支などの呼吸器の病気を診断するために、口から気管支ビデオスコープを気管や気管支の中に挿入して内腔を観察したり、組織や細胞、分泌物などの検体を採取する検査です。本検査は原則として、入院していただいて行っています。検査前に局所麻酔薬スプレーによる喉の麻酔を行いますが、検査を楽に受けていただくために鎮静剤という静脈麻酔を併用し検査することも可能です。検査時間は通常30分程度です。
多くの病変は、直接気管支鏡により観察できない肺の末梢にあります。そのためX線透視や超音波ガイド下に位置を確認しながら検査をすすめます。気管支鏡検査を行う対象疾患としては、肺癌、感染症、間質性肺炎、サルコイドーシスなどがあり、対象疾患の目的に応じて以下の検査を行います(図は呼吸器内視鏡学会HPより引用)。
気管支鏡検査の内容
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経気管支生検
気管・気管支および肺の限局性病変の確定診断を得るために、気管支鏡下に鉗子(かんし)を用いて、病変部からその一部(組織)をつまみ取る検査法です。
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経気管支肺生検
気管支鏡では見えない奥のほうの肺の一部(組織)を鉗子でつまみ取る検査法です。
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擦過細胞診
病変の一部を小さなブラシで擦り取り、細胞を採取する検査法です。
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気管支洗浄
気管・気管支内に少量(20ml程度)の滅菌した生理食塩水を注入して回収する検査法です。
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気管支肺胞洗浄
気管支鏡を用いて、肺の一部に比較的多量(150ml)の滅菌した生理食塩水を注入して回収し、回収した液(洗浄液)する検査法です。
その他の検査
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超音波気管支鏡下経気管支リンパ節穿刺法
超音波気管支鏡を用いて、気管・気管支の壁外にあるリンパ節(縦隔リンパ節あるいは肺門リンパ節)を観察し、気管(気管支)壁を貫いてリンパ節に針を刺して、リンパ節内の細胞や組織を吸引して採取する方法です。肺癌や縦隔腫瘍、サルコイドーシスなどの診断に重要な検査です。
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局所麻酔下胸腔鏡検査
胸水および胸膜疾患の診断を目的に、直径5-6mmの細くて先の柔らかい管状の内視鏡(胸腔鏡)を、肺表面を覆う膜(臓側胸膜)と胸壁内面を覆う膜(壁側胸膜)に囲まれた空間である胸腔に挿入し、胸水の除去、内腔の観察、細胞や組織採取などを行う検査です。
気管支鏡検査を受けられる方へ
気管支鏡検査は、入院して行います。医師、看護師の指示の従ってください。
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検査前日
- 1検査前日の午後9時以降は、何も食べないでください。水やお茶は、飲んで良いです。
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検査当日
- 1起床後、何も食べないでください。
- 2検査室には、ストレッチャーで病棟の看護師と一緒に来ます。
- 3喉の麻酔を行います。噴霧器で喉の奥に麻酔します。
- 4鎮静剤を注射して、鉛筆程の太さの気管支鏡を使用して検査を開始します。
- 5検査が終了したら、病棟にストレッチャーで看護師と一緒に戻ります。食事、飲水については、医師・看護師の指示に従ってください。