より良い教育サービスを学生ならびに社会人に提供する
自身の専門分野の強みと弱み、周りの職種の強みと弱みを知り、互いに補い合えば、これまでにない連携やケアを患者さんに提供することができます。多職種連携を自ら実践するだけではなく、同僚も巻き込んで、患者さんのためにチーム医療を展開する医療専門職。
開講時期:毎年4月15日
授業料:40,000円
学費支援(教育訓練給付金):有り
履修証明プログラムには以下の3つの特徴があります。
本プログラムは、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士を主な対象とするものの、薬剤師や看護師、その他の医療専門職の方々が臨床検査学、放射線技術科学、理学療法学を学ぶ機会にもなります。
医療専門職は、国家資格を取得するための教育組織が必ずしも同一大学にないことから、卒業前の学士教育課程はもちろん、卒業後の研修制度なども専門職ごとに各個別学会などが独立して実施していることが多いです。
本プログラムは、患者の生体情報を的確に捉える臨床検査や放射線検査を通じて、患者さんに起こっている臨床病態を総合的に正確に評価し治療やケアに還元させるという観点で共通した3分野が、連携して卒後のチーム医療教育のカリキュラムを提供します。学校卒業後、医療専門職ごとに専門性を高めるための研修制度が導入されていますが、職種間の交流は乏しく、知識領域の限定化と臨床現場と教育とのニーズの乖離が解決すべき問題となっています。
本プログラムは、医療人としてのより広い視野と深い知識を再充電する機会とインセンティブを提供します。
医療専門職の質の向上は、結果として、豊かな臨床経験に加えて新しい知識と広い視野の知的充電を受けた医療専門職が臨地実習指導者を担うことで、学部教育課程に正のフィードバック効果をもたらすと期待されます。
社会人としての学習を支援する方策としてのe-learningを積極的に取り入れつつ、職種間の人的交流を促進する意義も重視する観点から、スクーリングをプログラムに組み込み、地域の広範囲な医療専門職との交流の場にもなることを企図しています。
平成26-30年度文部科学省「課題解決型高度医療人材養成プログラム」の補助期間終了後の継続事業であり、“大学が核となって”医療専門職として働く社会人に専門職連携教育を提供します。
臨床検査学・放射線技術科学・理学療法学に関わる広範な医学的知識
臨床検査学、放射線技術科学、理学療法学を1年間で学び直すリカレント教育です。自身が学校で学ばれた内容と、今、学校で教えられている内容のギャップを埋めることができます。普段ともに働いている他の医療専門職の専門分野について学ぶことができます(相手の仕事を理解することにつながります)。
臨床検査学、放射線技術科学、理学療法学の各分野の講義(e-learningおよびスクーリング)から構成される120時間のカリキュラム
120時間すべてをe-learningにより提供します。スクーリングは来学が可能な場合に、学部学生や他の履修生と情報交換する機会としています。欠席者はスクーリングの模様をe-learningで履修することができます。
I-1 臨床検査学概論I | |
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臨床検査医学の現在と未来 | 會田 |
一般検査(初期診療における意義) | 山内 |
検査機器(臨床検査を支えるテクノロジー) | 山内 |
血液検査学(造血のしくみ) | 小原 |
血液検査学(血液疾患) | 二宮 |
止血・血栓学の検査 | 二宮 |
病理組織検査と医療 | 川西 |
細胞診のための組織と病理 | 村田 |
微生物学(構造・代謝) | 森川 |
微生物学(病原性・薬剤耐性) | 森川 |
II-1 放射線技術科学概論 | |
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医療と放射線 | 鹿野 |
画像診断検査:単純撮影 | 郡 |
画像診断検査:造影 | 小林 |
画像診断検査:CT | 中島(修) |
検査目的に沿った画像検査技術 | 中島(光) |
画像診断検査:MR | 門間 |
核医学検査技術学(代謝、機能画像) | 須田 |
画像診断検査:超音波 | 中島(千) |
放射線治療 | 藤崎 |
医療被曝、防護 | 佐藤 |
III-1 臨床検査学概論II | |
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生化学検査(肝機能) | 岡田 |
生化学検査(胆・膵機能) | 岡田 |
免疫学総論 | 渋谷 |
免疫と疾患 | 渋谷 |
輸血検査 | 小原 |
染色体と遺伝子 | 野口 |
生理検査(循環器) | 小池 |
生理検査(呼吸機能) | 森島 |
生理検査(神経系) | 中馬越 |
医用工学概論 | 三好 |
IV-1 理学療法学概論 | |
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理学療法の対象と目的 | 大橋 |
脳性麻痺児の理学療法 | 黒田 |
脳血管障害理学療法 | 山本 |
運動器障害理学療法 | 柴田 |
呼吸器の構造と機能 | 大瀬 |
呼吸リハの対象となる代表的疾患 | 大瀬 |
呼吸理学療法評価 | 河村 |
呼吸リハビリテーション | 冨田 |
心肺運動負荷検査(CPX)と運動処方 | 小池 |
心臓リハビリテーションについて | 近野 |
I-2 臨床検査学特論I
10コマ以上
臨床検査の意義 | 會田 |
ISO15189を用いた検査室運用 | 森山 |
病理検査の現状 | 中川 |
病理検査における医療安全(実践と教育) | 古屋 |
血液学的検査 | 國平 |
検査機器の進歩 | 會田 |
病理検査と臨床との関わり | 川西 |
臨床検査技師の取り組み―様々な検査を通して― | 根岸 |
発作性夜間ヘモグロビン尿症の検査 | 二宮 |
薬剤感受性試験 | 森川 |
耐性菌の検査について | 後藤 |
血栓・止血学(血小板造血から止血機構まで) | 上妻 |
血小板増多・減少症の病態生理と血小板機能検査 | 上妻 |
骨髄検査でわかる血液疾患 | 及川 |
II-2 放射線技術科学特論
スクーリング(2024年9月14日(土) )
画像診断検査:CT | 高橋 |
医用情報技術 | 安江 |
医療安全 | 門間 |
7コマ以上
放射線治療 | 布施 |
医療被曝、防護 | 佐藤 |
画像診断検査:MR | 石森 |
画像診断検査:単純および造影X線検査 | 森 |
画像診断検査:核医学検査 | 對間 |
画像診断検査:透視撮影(単純・造影) | 中島(修) |
画像診断検査:画像処理 | 田子谷 |
画像診断検査:超音波 | 中島(光) |
画像診断検査:総合診断 | 中島(光) |
III-2 臨床検査学特論II
10コマ以上
バランス能力のもつ未知の可能性 | 鈴木 |
心エコー検査と各職種とのつながり | 中島 |
呼吸機能検査の実際 | 上牧 |
脳波検査の実際 | 髙野 |
臨床化学検査 | 永井 |
免疫学―基礎から臨床検査への応用まで― | 渋谷 |
輸血の臨床 | 長谷川 |
輸血医療を支える輸血検査 | 新井 |
生活習慣病と臨床検査 | 正田 |
遺伝子検査法 | 野口 |
白血病の診療に必要な遺伝子検査 | 南木 |
多職種に知ってほしい一般検査の世界 | 會田 |
認定一般検査技師と尿沈渣を巡る | 横山 |
心肺運動負荷検査(CPX) | 小池 |
IV-2 理学療法学特論
スクーリング(2024年9月14日(土) )
ロボットリハビリテーション | 水上 |
リハビリテーション管理学 | 松田 |
8コマ以上
End of life のリハビリテーション | 坂本 |
股関節の運動学 | 滝澤 |
表面筋電図を用いた運動障害の評価 | 青山 |
運動耐容能の評価(6分間歩行試験) | 瀬高 |
呼吸器疾患各論 | 大瀬 |
運動学から見た筋力 | 橘 |
呼吸筋力検査と呼吸筋トレーニング | 冨田 |
呼吸ケアと排痰法 | 冨田 |
バランス評価 | 宮田 |
移乗介助技術 | 橘 |
移動動作介助技術 | 青山 |
神経筋連関のトピックス | 青山 |
修了要件
120時間の講義を履修し、各講義についてのレポートを提出して合格の評価を受けること
2019年4月1日付で厚生労働省の「専門実践教育訓練」の指定講座(講座番号0810023-1910011-5)になりました。
「専門実践教育訓練給付金」は、受講者ご本人(一定の条件を満たした方)が専門実践教育訓練実施者に対して支払った教育訓練経費の5割に相当する額を公共職業安定所(ハローワーク)から支給されるものです。「専門実践教育訓練給付金」の支給を受けようとする方は、受講開始日の1ケ月前までに、ご自身の住居所を管轄するハローワークで、訓練前キャリアコンサルティング、受給資格の確認申請等、所要の手続を終えておく必要があります。詳細はハローワークへお問い合わせください。本プログラムの修了認定基準の内容等については、明示書をお読みください。「明示書1」と「明示書2」はこちらです。
受講前にハローワークにて受給資格の確認申請等をされる場合には、次の情報が必要となります。
後援
筑波大学医療科学類ならびに茨城県立医療大学理学療法学科・放射線技術科学科は共同して、学部学生を対象とする専門職連携教育を実施しています。特に症例基盤型学習(Case-Based Learning)に力を入れており、「患者の生体機能情報をもとにいかに診断し、治療・ケアに反映させるか」という課題を小グループで討論するプログラムを実施しています。医療現場では、診断・治療を進める際に医師を中心とした「症例検討会」が開催されています。こうした情報共有・意思決定の場に臨床検査技師、理学療法士、診療放射線技師が参画し、医療チームとして最適な治療・ケアを提供するために、学部学生のときから、他の医療専門職の専門性を理解して互いに連携する姿勢や、医療チーム内のコミュニケーションに必要となる“共通言語”の体得を目指します。
2021年に、日本臨床衛生検査技師会ならびに日本臨床検査学教育協議会から「臨地実習ガイドライン」が発行されました。おおよそ8年ぶりとなる今回の改訂では、国家試験を受験する前に医療現場で行われる「臨地実習」が卒前教育において重要な位置を占めることが再確認され、充実した臨地実習に向けて「客観的臨床能力試験」の導入が盛り込まれました。筑波大学医療科学類では、Objective Structured Laboratory Examination(OSLE)と呼んでいる実技試験をCoMSEPの一環として2014年から実施してきました。その成果は関連学会で発表され、2022年入学者から全国の臨床検査技師養成機関で展開される「客観的臨床能力試験」の土台になっています。
2014年にスタートした文部科学省による「課題解決型高度医療人材養成プログラム」。本事業では、高度な教育力・技術力を有する大学が核となって、我が国が抱える医療現場の諸課題等に対して、科学的根拠に基づいた医療が提供でき、健康長寿社会の実現に寄与できる優れた医師・歯科医師・看護師・薬剤師等を養成するための教育プログラムを実践・展開する大学の優れた取組が支援されました。筑波大学と茨城県立医療大学は、「課題解決型高度医療人材養成プログラム」の目的のひとつである“チーム医療に貢献でき、高い指導能力を持ったメディカルスタッフの養成”を推進するために「多職種連携医療専門職養成プログラム(CoMSEP)」を展開しました。現在は、多職種連携医療専門職養成プログラム継続事業(CoMSEP-Beyond)として着実に前進しています。