第2代センター長 苛原 稔
任期平成15年4月1日〜平成22年3月31日
2004年4月より、曽根三郎教授の後任として臨床試験管理センター長を拝命致しましたので、ご挨拶を申し上げたいと存じます。
ご承知のように、平成11年4月に院内措置として発足した本センターは、歴代の病院長や曽根前センター長のご尽力により、5名の専任CRCのほか、兼任の医師、薬剤師、事務官あわせて20名の大所帯になり, 実績としては年間1.5億円を上回る治験契約総額、市販後調査部門の開設、臨床試験登録医制度の導入、生物製剤調剤室の開設、医師主導の臨床試験支援プロジェクトの推進など、この4年の間に大きく発展して参りました。
さらに本年4月からは予算措置のある正式なセンターとして認められ、名実ともに病院機構の一翼を担うセクションとして、ステップアップ致しました。
これもひとえに、曽根前センター長の先見性と実行力の賜と感服している次第です。
本年本センターは、ヒトの成長にたとえれば思春期を向かえて急速に体格が大きくなる大切な時期を迎えていると言えます。また、本年10月には医学部・歯学部附属病院の合併、来年4月には国立大学法人化が 決定しており大学病院を取り巻く環境は大きく変化して行くと思われます。その中で、倫理性、科学性、医学生を担保とする臨床試験を担当する本センターは重要な役割を果たすものと思っております。
このような重要な時に、本センター長を拝命したことは身に余る重責の思いでございますが、幸いにもセンターの関係者はいずれもエキスパートですので、それらの方々のご協力ならびにご支援をいただいて、いきたいと存じます。
さて、これから臨床試験管理センターのお世話をさせて頂くにあたっては、曽根前センター長が敷かれた路線を継承し、発展させて行こうと思っております。なかでも、
- 治験業務のより一層の充実
- 治験の地域ネットワーク作り
- 医師主導の臨床試験の活発化
- トランスレーショナルリサーチの推進
- 保健機能食品の臨床試験の推進
の5項目を重点目標にしたい思います。
すなわち、院内での治験業務のさらなる充実を図り、患者にとっても依頼企業にとっても満足していただける質の高い治験を行って行きたいと思います。もちろん、歯学系の治験も増加させたいと思います。
また、これからは大学病院だけでなく、一般病院を巻き込んだ治験の地域ネットワーク作りが重要と考えられますので、大学の関連施設や医師会などと十分な連携を保ちながら、ネットワークを立ち上げたいと思います。
さらに医師主導の臨床試験の支援業務を充実させるとともに、トランスレーショナルリサーチ推進委員会を設置して、医学、歯学、薬学、栄養学の基礎研究が充実している本院の利点を生かして、臨床への橋渡しとなるトランス
レーショナルリサーチを積極的に推進して行きたいと思います。
また、生活習慣病の治療や予防の面で医学的に有用性の高い食品の開発が期待されており、栄養学科と密接な連携を行い、日本で初めての試みとして、食品を科学的に評価する臨床研究システムを構築し、食品
に関する臨床研究に現在取り組んでおります。
本センターの発展に少しでも貢献できればと思っておりますが、センターの運営には病院内のすべての方々の多大なるご協力が不可欠と思いますので、何卒、益々のご指導とご支援を賜りますよう御願い申し上げます。