第3編 災害復旧・復興対策

第1章 被災施設等の復旧

第1節 医療施設の復旧

 厚生省健康政策局及び被災都道府県等 は,医療施設の被害状況の調査等を実施 し,速やかな復旧に努める。なお,復旧に 当たっては,再度の被災の防止を考慮に入 れ,耐震,耐火性,不燃堅牢化について配 慮する。

第2節 社会福祉施設等の復旧

 厚生省社会・援護局その他の関係部局 は,被災社会福祉施設等の災害復旧につい て,国庫補助,社会福祉・医療事業団の融 資等による早期の復旧が図られるよう努め る。なお,復旧に当たっては,再度の被災 の防止を考慮に入れ,耐震,耐火性,不燃 堅牢化について配慮する。

第3節 水道施設の復旧

  1. 水道事業者等は,復旧に当たっては,再 度の被災の防止を考慮に入れ,耐震性の向 上等の観点から,必要な改良復旧を行うと ともに,耐震化,緊急時用貯水施設の整備 を図るなど,計画的に復旧対策を進める。

  2. 厚生省生活衛生局水道環境部は,必要に 応じ,水道事業者等が行うう復旧対策に対 し,技術的,財政的支援に努める。

第4節 一般廃棄物処理施設の復旧

  1. 被災市町村は,復旧に当たっては,事故 防止等,安全対策に十分注意し,施設の稼 働を図る。この場合において,応急復旧 後,災害に伴う廃棄物の発生量や処理に要 する時間等を勘案し,施設ごとの工事期 間,工事時期,必要事業費等を定め,計画 的に施設の復旧作業を進める。

  2. 厚生省生活衛生局水道環境部は,一般 廃棄物処理施設の復旧が適切かつ速やかに 施されるよう,また,再度の被災の防止を 考慮に入れ,必変に応じ,国庫補助を活用 しつつ復旧が図られるよう努める。

第2章 がれきの処理

  1. 被災市町村は,がれきの発生量を的確に 把握するとともに,処理・処分の方法,処 理の月別進行計画,最終処理完了の時期等 を含めた処理計画を作成する。

  2. 被災都道府県は,被災市町村の処理計画 をまとめ,処理事業の進行管理等を行うた めのがれきの全体処理計画を作成する。ま た,必要に応じ,被災市町村の参加する協 議会を設置し,情報収集・提供及び相互の 協力体制づくりを図る。

  3. 厚生省生活衛生局水道環境部は,処理計 画の素案を作成・提示するとともに,複数 府県にわたる計画の総合調整を図る。

第3章 被災者の生活再建等の支援

第1節 地域医療の確保

  1. 被災都道府県は,救護所等による医療か ら通常の地域医療への円滑な移行が図られ るよう努める。

  2. 厚生省健康政策局その他の関係部局は, 必要に応じ,被災都道府県が行う地域医療 の確保施策に対して適切な支援を行う。

第2節 災害弔慰金及び災害障害見舞金の支給並 びに災害援護資金の貸付

  1. 被災市町村は,災害弔慰金及び災害障害 見舞金の支給並びに災害援護資金の貸付制 度に関して,被災者に広く周知を図るとと もに,これらの事務を適切かつ速やかに実 施する。

  2. 厚生省社会・援護局は,市町村による災 害弔慰金及び災害障害見舞金の支給並びに 災害援護資金の貸付に関する野菜が,適切 かつ速やかに実施されるよう,都道府県に 対し指導援助を行う。

第3節 生活福祉資金(災害援護資金)の貸付

  1. 都道府県社会福祉協議会は,災害援護資 金に関して,被災者に広く周知を図るとと もに,これらの事務を適切かつ速やかに実 施する。

  2. 厚生省社会・援護局は,災害を受けた低 所得世帯等に対して,その自立更生に資す るため,都道府県社会福祉協議会が貸し付 ける生活福祉資金(災害援護資金)の事務 が適切かつ速やかに実施されるよう,都道 府県に対し指導・援助を行う。

第4節 各種貸付の実施

  1. 社会福祉・医療事業団は,災害の規模に 応じ,災害医療施設,被災社会福祉施設等 に対して貸付条件の緩和等の措置を講ず る。

  2. 環境衛生金融公庫は,災害の規模に応 じ,被災環境衛生関係営業者に対して貸付 条件の緩和等の措置を講ずる。

  3. 年金福祉事業団は,住宅資金を借り入れ た厚生年金保険及び国民年金の被保険者が 被災した場合において,貸付条件の緩和等 の措置を講ずる。


第4編 東海地震の地震防災対策強化地域に 係る地震防災強化計画

 この編においては,大規模地震対策特別 措置法第6条第1項の規定に基づき地震防 災に関しとるべき措置等を定める。

第1章 地震予知情報等の伝達

  1. 地震防災対策強化地域判定会が招集され た場合又は警戒宣言が発せられた場合に は,連絡調整会議構成員は,必携に定める 連絡網に従い,国土庁等から得た情報を速 やかに厚牛省の関係部局に伝達する。

  2. 厚生省関係部局は,発災後の災害応急対 策を迅速かつ的確に実施するため,関係機 関と連絡体制の強化を図る。

第2章 厚生省地震災害警戒本部の設置等

第1 厚生省地震災害誓戒本部の設置

  1. 警戒宣言が発せられた場合には,厚生 大臣の決裁を得て,厚生省地震災害警戒 本部を設置する。

  2. 厚生省地震災害警戒本部が設置された 場合には,同警戒本部事務局は,速やか に記者発表を行う。

  3. 厚生省地震災害警戒本部は,発災後 は,第2編第1章第2節に定める厚生省 災害対策本部に移行する。

  4. 厚生省地震災害警戒本部は,厚生省災 害対策本部に移行された場合又は警戒解 除宣言が発せられた場合には廃止する。

第2 自発的参集

厚生省地震災害警戒本部の構成員は, 地震防災対策強化地域判定会が招集され た場合又は警戒宣言が発せられた場合に は,召集権者の召集を待たず,直ちに参 集する。

第3 厚生省地震災害警戒本部の設置場所

 厚生省地震災害警戒本部は,厚生本省 特別第一会議室又は適宜の厚生本省内の 会議室等に設置する。

第4 厚生省地震災害警戒本部の業務

 厚生省地震災害警戒本部は,次の業務 を行う。

(1)地震防災応急対策の統括・総合調整

(2)政府地震災害警戒本部等及び関係省 庁との情報交換及び連携調整

(3)厚生省幹部との連絡

(4)その他地震防災応急対策に関し必要 な業務

第3章 地震防災応急対策に係る措置等

 地震防災応急対策に係る措置等につい ては,当分の間,旧厚生省防災業務計画 (平成5年修正の厚生省防災業務計画を いう。)の例によるほか,この計画の第 1編から第3編までの規定を適宜準用す ることにより運用するものとする。

附則

 この計画は,平成8年1月17日から施 行する。


(別紙1)

厚生省災害対策連絡調整会議設置規程

 この規定は,厚生省防災業務計画第1編第1章第1節第3項の規定に基づき,厚生省災害対策連絡調整会議の設置に関 し,必要な事項を定めるものとする。

  1. 厚生省災害対策連絡調整会議(以下「連絡調整会議」という。)に主査を置き,大臣官房総務課長をもって充てる。

  2. 連絡調整会議に副主査を置き,大臣官房政策課企画官(総務及び災害対策を担当する者)をもって充てる。

  3. 連絡調整会議に幹事を置き,大臣官房総務課課長補佐及び社会・援護局保護課課長補佐をもって充てる。

  4. 前3項に定めるもののほか,連絡調整会議の構成員として,次の職にある者を充てる。

    (大臣官房人事課) 庶務係長,企画係長

    (大臣官房総務課) 庶務係長,調整係長,審査係長,調整係長,広報室総務係長

    (大臣官房会計課) 庶務係長

    (大臣官房政策課) 庶務係長,政策第1係長

    (大臣官房国際課) 企画調整係長

    (大臣官房厚生科学課) 庶務班長

    (大臣官房統計情報部) 管理企画課管理係長

    (健 康 政 策 局) 書記室管理係長,総務課企画法令係長

    (保 健 医 療 局) 書記室管理係長,企画課企画法令係長

    (保険医療局国立病院部) 運営企画課総務係長,運営企画課企画法令係長

    (生 活 衛 生 局) 書記室管理係長,企画課企画法令係長

    (生活衛生局水道環境部) 計画課総務係長,計画課企画法令係長

    (薬   務   局) 書記室管理係長,企画課企画法令係長

    (社 会・援 護 局) 書記室管理第1係長,企画課企画法令係長,保護課救助係長

    (老人保健福祉局) 書記室管理係長,企画課企画法令係長

    (児 童 家 庭 局) 書記室管理係長,企画課企画法令係長

    (保   険   局) 書記室管理係長,企画課企画調査係長

    (年   金   局) 書記室管理係長,企画課企画係長

    (社 会 保 険 庁) 総務部総務課庶務係長,運営部企画・年金管理課主査のうちから指名された者

  5. 連絡調整会議の事務局は,大臣官房総務課調整係に置く。


(別紙2)

厚生省災害対策本部組織規程準則

 この規程は,厚生省防災業務計画第2編第1章第2節第1項の規程に基づき設置される厚生省災害対策本部の組織についての準則を定めるものとする。

1 設置

[災害名]に係る災害対策について万全の措置を講ずるため,[災害名]厚生省災害対策本部(以下「本部」という。) を設置する。

2 構成

(1)本部は,本部長,副本部長及び本部員をもって構成する。
(2)本部長には厚生事務次官を,副本部長には官房長及び社会・援護局長をもって充てる。
(3)本部員は,(別紙3)の1のとおりとし,必要に応じ,追加することができる。
(4) 本部長は,本部の事務を総括する。副本部長は,本部長を補佐し,本部長に事故があるときは,その職務を代理する。

3 本部員会議

(1)本部員会議は,本部長,副本部長及び本部員をもって構成し,本部長が必要に応じ,招集する。
(2) 本部員会議は,本部の運営に係る総合調整を行う。

4 幹事

(1)本部に幹事を置く。

(2)幹事長には大臣官房総務課長を,副幹事長には社会・援護局保護課長をもって充てる。

(3)幹事は,(別紙3)の2のとおりとする。

(4)幹事長又は幹事は,必要に応じ,変更又は追加することができる。

(5)幹事は,本部の所掌事務について本部員を補佐する。

(6)幹事会は,幹事長,副幹事長及び幹事をもって構成し,幹事長が必要に応じ,招集する。

5 事務局

(1)本部に事務局を置く。

(2) 事務局長には,大臣官房政策課企画官(総務を担当する者)を,事務局次長には大臣官房政策課企画官を担当する者),大臣官房総務課課長補佐及び社会・援護局保護課課長補佐をもって充てる。

(3) 事務局員は,(別紙3)の3のとおりとする。

(4)事務局長又は事務局員は,必要に応じ,変更又は追加することができる。

(5) 事務局長は,必要に応じ,事務局員を招集する。

6 防災担当職員

(1)本部員幹事及び事務局員の間の連絡調整を行うため,関係部局に防災担当職員を置く。

(2) 防災担当職員は,(別紙3)の4のとおりとし,必要に応じ,変更又は追加することができる。

7 その他

(1)本部の庶務は,大臣官房総務課(調整係)において処理する。

(2) この規程に定めるもののほか,本部の運営に関し必要な事項は,本部員会議が定める。


(別紙3)厚生省災害対策本部構成員(別紙2関係)

1.本部員

◎ 事務次官,〇官房長,総務審議官,健康政策局長,保健医療局長,国立病院部長,生活衛生局長,水道環境部長,薬務局長,老人保健福祉局長,〇社会・援護局長,児童家庭局長,保険局長,年金局長,社会保険庁長官

 * ◎ 本部長,〇副本部長

2. 幹事

(大臣官房)  人事課長,◎総務課長,総務課広報室長,会計課長,政策課長,国際課長,厚生科学課長
(健康政策局) 総務課長,計画課長,指導課長,看護課長
(保健医療局) 企画課長,エイズ結核感染症課長
(国立病院部) 運営企画課長,政策医療課長
(生活衛生局) 企画課長,指導課長,食品保健課長
(水道環境部) 計画課長,水道整備課長,環境整備課長
(薬 務 局) 企画課長,経済課長,審査課長,血液事業対策室長
(社会・援護局) 企画課長,0保護課長,地域福祉課長,施設人事課長
(老人保健福祉局)企画課長,老人福祉計画課長,老人保健課長
(児童家庭局) 企画課長,企画課施設調整室長,保育課長
(保 険 局) 企画課長
(年 金 局) 総務課長
(社会保険庁) 総務課長
 * ◎幹事長,〇副幹事長

3. 事務局員

 大臣官房人事課課長補佐
〇大臣官房総務課課長補佐
 大臣官房会計課課長補佐
◎大臣官房政策課企画官(総務を担当する者)
〇大臣官房政策課企画官(災害対策を担当する者)
 大臣官房政策課課長補佐
 大臣官房国際課課長補佐
 大臣官房厚生科学課課長補佐
 健康政策局指導課課長補佐
 保健医療局エイズ結核感染症課課長補佐
 保健医療局国立病院都政策医療課課長補佐
 生活衛生局企画課課長補佐
水道環境部計画課課長補佐
薬務局経済課課長補佐
〇社会・援護局保護課課長補佐
老人保健福祉局老人福祉計画課課長補佐
児竜家庭局企画課課長補佐
保険局企画課課長補佐
年金局企画課課長補佐
社会保険庁総務課課長補佐
  * ◎事務局長,〇事務局次長

4. 防災担当職員

厚生省災害対策本部構成員等必携に防災担当職員として掲げられている者


(別紙4)厚生省現地対策本部組織規程準則

 この規程は,厚生省防災業務計画第2編第1章第3節第2第1項の規定に基づき設置される厚生省現地対策本部の組織についての基準を定めるものとする。

1 設置

 [災害名]に係る災害応急対策について万全の措置を講ずるため,[災害名]災害対策本部の支部として,[設置場所]に,[災害名]厚生省現地対策本部(以下「現地対策本部」という。)を設置する。

2 構成

 現地対策本部は,現地本部長,現地副本部長及び現地本部員並びに現地参与をもって構成し,厚生省災害対策本部本部長が指名した者をもって充てる。この場合において,現地参与は,政府現地対策本部の職員として任命された厚生省 職員がある場合に,当該職員のうちから指名されるものとする。

3 職務

 現地本部長は,現地対策本部の事務を総括する。

 現地副本部長は,現地本部長を補佐し,本部長に事故があるときは,その職務を代理する。

現地参与は,現地本部長の諮問に応じ,現地対策本部の業務の運営に関し,意見を述べる。

4 雑則

前各項に定めるもののほか,現地対策本部の運営に関する事項その他必要な事項は,現地本部長が定める。


(参照1)災害対策基本法(昭和36年法律第233号)(抄)

(指定防災機関の防災業務計画)

第36条  指定行政機関の長は、防災基本計画に基づき、その所掌事務に関し、防災業務計画を作成し、及び毎年防災業務計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。

2  指定行政機関の長は、前項の規定により防災業務計画を作成し、又は修正したいときは、すみやかにこれを内閣総理大臣に報告し、並びに都道府県知事及び関係指定公共機関に通知するとともに、その要旨を公表しなければならない。

3  (略)


(参照2)防災基本計画(平成7年7月18日中央防災会議決定)(抄)

第2編 震災対策編

第2章 災害応急対策

第3節 救助・救急,医療及び消火活動

2 医療活動

(2)被災地域外からの救護班の派遣

〇救護班の緊急輸送について,緊急輸送関係省庁[運輸省,海上保安庁,防衛庁,消防庁,警察庁]は,必要に応じ,又は国[厚生省,文部省],日本赤十字社及び地方公共団体からの要請に基づき,輸送手段の優先的確保など特段の配慮を行うものとする。

(3)被災地域外での医療活動

〇広域後方医療施設への傷病者の搬送について,緊急輸送関係省庁は,必要に応じ,又は広域後方医療関係機関若しくは地方公共団体からの要請に基づき,輸送手段の優先的確保など特段の配慮を行うものとする。

第4節 緊急輸送のための交通の確保・緊急輸送活動

1 交通の確保・緊急輸送活動の基本方針

〇交通の確保・緊急輸送活動については,被害の状況,緊急度,重要度を考慮して,交通規制,応急復旧,輸送活動を行うものとする。

  (中略)

(2)輸送対象の想定

 − 第1段階

 ァ 救助・救急活動,医療活動の従事者,医療品等人命救助に要する人員,物資

    (以下略)

第12節 自発的支援の受入れ

3 海外からの支援の受入れ

〇外交ルートにて海外から支援の申し入れがあった場合には,外務省は,非常本部等にその種類,規模,到着予定日時,場所を通報するものとする。

〇非常本部等は,支援の受入れの可能性について検討する。

〇非常本部等が支援の受入れを決定した場合,あらかじめ定めた対応方針に基づいて,海外からの支援の受入れ計画を作成し,計画の内容を支援を申し入れた国,関係省庁及び被災地方公共団体に示すものとする。その後関係省庁は,計画に基づき,当該海外からの支援を受け入れるものとする。なお,支援を受け入れないと決定した場合,速やかに関係国に通報するものとする。

第3章 災害復旧・復興

第2節 迅速な現状復旧の進め方

1 被災施設の復旧等

〇国は,ライフライン施設等の復旧のため,可能な範囲で復旧事業の執行に係る作業許可手続きの簡素化を図るものとする。


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