社会的孤立・孤独の予防教育プログラムの開発

研究の概要と目的

  近年、ひきこもり、8050 問題、孤独死などの社会的孤立・孤独者の増加に伴う問題 が顕在化しつつあります 。社会的孤立の問題は、それが孤立者の孤独や個人の経済生 活能力の低下を介して自殺などメンタルヘルスの危機や身体状態の危機、すなわち健 康危機に至る点にあります 。ですが、従来のメンタルヘルス関連の教育には、孤立・ 孤独の予防に関する包括的な教育・研修プログラムはありません。
  そこで我々は、科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX): SDGs の達成に向けた共創的研究開発プログラム(社会的孤立・孤独の予防と多様な 社会的ネットワークの構築)採択事業「社会的孤立の生成プロセス解明と介入法開 発:健康な「個立」を目指して」の中で、孤立・孤独予防のための教育プログラムを 開発しました。
  このプログラムの目的は、社会的に孤立していても不適応的な孤独感を強めない認 知と、ゆるやかな(ほどよい距離感の)対人関係の作り方、ひとりでいることの良さ やひとりを楽しめる知恵、適切な相談先や地域社会資源の情報に関するスキルの獲得 を目的とし、対象中学校の生徒に授業形式でのプログラムを行い、授業前後にアンケ ート調査を実施して、その有用性を検証します 。

研究対象者

2024 年度において、下記中学校で二学年の生徒の方々および教職員の方々
稲田中学校、みなみ学園義務教育学校、笠間中学校、友部中学校

研究期間

倫理審査委員会承認後~2025年3月31日

研究の方法

  笠間市と協力した上で、各中学校の授業時間を使用して、我々が作成をした「ひとりぼっちでも前向きな考え方ができいざとなったら助けを求められる教育(e- BOCCHI)」を対象中学校の各クラスへ実施します。この授業プログラムの効果を調べ るために、実施期間中は複数回アンケート調査を実施し、調査結果を研究に使用させ ていただきます。
  教職員の方々へは、授業プログラムを実施後の感想等についてアンケート調査を実 施させていただきます。

研究機関名及び研究責任者名

筑波大学 医学医療系災害地域精神医学:太刀川弘和

個人情報に関する利用目的

本研究で取り扱う個人情報は、本研究の解析目的のみに使用し、それ以外には用いま せん。また研究結果を学会・論文発表する際には個人を該当できる情報は用いません。

本研究への参加を希望されない場合

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問い合わせ先

筑波大学 医学医療系災害地域精神医学:〒305-8575 茨城県つくば市天王台 1-1-1
電話番号 029-853-3343