土佐鉄雄氏
さて、災害時における対策についてお問い合わせ頂きましたが、現在、私ども施設では特に対策対応等の準備は行っておりません。そこで、秋田市の主な医療機関に問い合わせをしたところ一施設より大規模災害時における対策マニュアルを作成しているとのことでした。
そのマニュアルコピーをご紹介させて頂きます.“大規模災害対策マニュアル”として用意された冊子となっておりますので,詳細のご希望は情報局に問合せ下さい.
中田充氏
当院における災害時の対応
仙台市近郊において震度5以上の地震が起こった際の職員の対応(東北大学病院災害マニュアルより)院内にいる職員
(1) 自分の身の安全の確保
(2) 患者・職員の救出、安全確保
(3) 二次災害の予防
(4) 災害対策本部への被害状況の報告
(5) 災害対策本部の指示又は各セクションの判断により避難誘導
(6) 災害対策本部の指示により他のセクションへの応援、トリアージ応援
(2) 患者・職員の救出、安全確保
(3) 二次災害の予防
(4) 災害対策本部への被害状況の報告
(5) 災害対策本部の指示又は各セクションの判断により避難誘導
(6) 災害対策本部の指示により他のセクションへの応援、トリアージ応援
院外にいる職員
(1) 自分の身の安全の確保
(2) 家族、家屋、隣人等の安全を確認
(3) 登院(本来の勤務先又は災害対策本部)(1) (2)が済むまでは登院しない
(4) 災害対策本部の指示により行動する
(5) 可能であれば、登院の際に職員用の食料品などを持参する。
(2) 家族、家屋、隣人等の安全を確認
(3) 登院(本来の勤務先又は災害対策本部)(1) (2)が済むまでは登院しない
(4) 災害対策本部の指示により行動する
(5) 可能であれば、登院の際に職員用の食料品などを持参する。
・ 時間内外により対応は異なるが、職員は登院し、セクションごとに作られた報告用紙に従い、一次報告から三次報告まで対策本部にFAXするか持参する。
・ 放射線部においては規定のマニュアルは残念ながら存在しないが、パートごとに独自の対応をしている。
現在まで2,3回の震度5弱の地震時の血管撮影室の対応として、
以上が概要だが,当院の災害対策マニュアルの紹介も可能なので,その詳細ご希望は情報局に問合せ下さい.
・ 放射線部においては規定のマニュアルは残念ながら存在しないが、パートごとに独自の対応をしている。
現在まで2,3回の震度5弱の地震時の血管撮影室の対応として、
・ 検査中の際は、患者安全の確保
→停電時に寝台が固定されるかフリーになるかは事前に把握が必要
・ 装置の故障の有無をチェック
→検査中であれば透視・撮影が可能かどうか、使用していない装置は始業点検に従ってチェックする。検査中で装置に問題ない場合は医師と相談の上、続行か否かを判断する。
・ その他施設の損壊の有無をチェック
→事前に施設の状態(クラック等)の把握が必要
・ 自動現像機(ウエットタイプ)の濃度チェック
→テストピースにてチェック
などであるが、8月の地震の後、血管撮影室におけるチェックリストを作成した。大規模災害時は院内のほか、外からの被災者の受入も始まるため、一次チェックでは現況を大雑把に、二次チェックでは施設、装置状況を、三次チェックでは患者受入等を考慮し、薬品数等のチェックを行えるように作成した。備考として施設の現況(クラックやひびの位置等)を予め把握するために写真とともに掲載した。しかし、実際に使用したことがないため不備があると思われ、今後いろいろな文献を参考にして改訂する必要があると思われる。→停電時に寝台が固定されるかフリーになるかは事前に把握が必要
・ 装置の故障の有無をチェック
→検査中であれば透視・撮影が可能かどうか、使用していない装置は始業点検に従ってチェックする。検査中で装置に問題ない場合は医師と相談の上、続行か否かを判断する。
・ その他施設の損壊の有無をチェック
→事前に施設の状態(クラック等)の把握が必要
・ 自動現像機(ウエットタイプ)の濃度チェック
→テストピースにてチェック
以上が概要だが,当院の災害対策マニュアルの紹介も可能なので,その詳細ご希望は情報局に問合せ下さい.
佐藤州彦氏
―大規模災害に向けての対応―
近い将来、必ずや来るであろうと言われている宮城県沖地震、この8月に震度6弱の揺れを感じ、ついに来たかと思ったものの、これは別物という結論になり、また不安な日々を過ごすことになりました。
過去に何度かマグニチュード7.0以上、震度で言えば5以上の地震を経験していながら、情報局からの電話を頂くまで恥ずかしながらほとんど何の対応もしていないということをあらためて認識させられ返答に困ってしまいました。遅まきながら、是非この機会に皆さんのお知恵を聞かせていただければと思います。
当方としては、過去の地震では幸いにも装置等のダメージはなく、しいてあげればマンモ用の自現機の液交換と清掃ぐらいでしょうか…。
さて少し考えてみますと、発生規模により様々な状況が想定されますが、まず考えておかなければならないことは診療中であれば患者様の避難・誘導、自分自身も含めての安全確保ですね…。地震が一段落したら、各ハードウェアをチェックして使用可能かどうか把握する。X線撮影装置…General、CT、ポータブル、外科用イメージ、X線TV…CR画像処理装置…イメージャー…HIS、RIS、PACSといったネットワーク関係…etc.…このように種々の装置、機器に囲まれて業務を行っている我々としては、たとえばCR画像処理装置が全てストップしてしまったら、X線TV装置やアンジオ装置、外科用イメージの使用も考えたり…と、その状況に応じ臨機応変に対応できるよう準備を怠らないように努めなければなりません。また患者様が集中した時や、オーダリングシステムが機能しないときなどについても考えておかなければなりませんね…。
他にもいろいろあるでしょう、是非是非お知恵の程を宜しくお願いします。
坂本肇氏
地震対策ですが、ほとんど何も行っていません。本当は、東海地震に備え、準備をしなくてはいけないと思っていますが、病院としても、機能評価や相互チェックなどには力を入れますが、地震対策までは手が回らない現状です。
機能評価などで問われる、安全管理、感染対策はかなり充実してきました。
しかし、患者安全管理は行っていても、災害対策はまだまだです。機能評価などに、災害対策が盛り込まれると放射線部(アンギオ室)でも積極的にお金を掛けて行えると思うのですが。さて、皆さんの施設では如何でしょうか?
機能評価などで問われる、安全管理、感染対策はかなり充実してきました。
しかし、患者安全管理は行っていても、災害対策はまだまだです。機能評価などに、災害対策が盛り込まれると放射線部(アンギオ室)でも積極的にお金を掛けて行えると思うのですが。さて、皆さんの施設では如何でしょうか?
中野和彦氏
私どもの山田赤十字病院放射線科では以下のようになっています。
地震が発生したとき、日勤帯であれば、それぞれの身体に受傷していない事を確認後各部署の責任者が装置の破損等をチェックし、使用可能であるかどうかの報告を技師長にする。そのほかの診療放射線技師はトリアージの場所に行き、患者の搬送を担当する。夜間や休日の場合は、震度5以上で全員集まることになっています。その他の災害時は特に決め事はありませんが、緊急時の連絡網で呼ばれる事になると思います。
赤十字の職員は、この他にも「救護班」という名前で災害が発生したところに救護に行くようなシステムがあり、毎年2名の診療放射線技師を参加させています。これは1つの班に医師1名看護師数名と主事となっていまして、診療放射線技師は「主事」として参加します。仕事としては救急車や救護車の運転、受付等医療に直接関係の無いことですが、医師・看護師以外はすべて主事としての参加になります。
1年間で数回の訓練をそれぞれの班で受けに行って災害時に備えています。(ちなみに時折,訓練で2日間1人取られてしまいます。)
我々放射線科は、病院とは別に当科単独でBSLの講習会を開催したり、消防署の上級救急救命講習会を受講したりして、何か起こっても診療放射線技師は対応できるようにしているつもりです。
建物等は地震などへの対応は全く出来ていません。かなり古い建物が多く、5年後に新築を予定しているものですから、最低限必要な部分だけ修復したりしている状態です。
新築の際には非常電源を放射線科の必要な部分だけでも引くようには考えています。希望としてはCR読み取り装置・プリンター(フィルムレス運用になっていれば主要部分の端末)・アンギオ装置・CTかなと考えています。
端的な思いを含ませ記しました。ご参考下さい。
地震が発生したとき、日勤帯であれば、それぞれの身体に受傷していない事を確認後各部署の責任者が装置の破損等をチェックし、使用可能であるかどうかの報告を技師長にする。そのほかの診療放射線技師はトリアージの場所に行き、患者の搬送を担当する。夜間や休日の場合は、震度5以上で全員集まることになっています。その他の災害時は特に決め事はありませんが、緊急時の連絡網で呼ばれる事になると思います。
赤十字の職員は、この他にも「救護班」という名前で災害が発生したところに救護に行くようなシステムがあり、毎年2名の診療放射線技師を参加させています。これは1つの班に医師1名看護師数名と主事となっていまして、診療放射線技師は「主事」として参加します。仕事としては救急車や救護車の運転、受付等医療に直接関係の無いことですが、医師・看護師以外はすべて主事としての参加になります。
1年間で数回の訓練をそれぞれの班で受けに行って災害時に備えています。(ちなみに時折,訓練で2日間1人取られてしまいます。)
我々放射線科は、病院とは別に当科単独でBSLの講習会を開催したり、消防署の上級救急救命講習会を受講したりして、何か起こっても診療放射線技師は対応できるようにしているつもりです。
建物等は地震などへの対応は全く出来ていません。かなり古い建物が多く、5年後に新築を予定しているものですから、最低限必要な部分だけ修復したりしている状態です。
新築の際には非常電源を放射線科の必要な部分だけでも引くようには考えています。希望としてはCR読み取り装置・プリンター(フィルムレス運用になっていれば主要部分の端末)・アンギオ装置・CTかなと考えています。
端的な思いを含ませ記しました。ご参考下さい。
松本邦博氏
トリアージの訓練事項を列挙してみました。参考になれば幸いです。
放射線部は赤、黄、緑の色分けでは黄色に振り分けられます。
用意するものはトリアージ番号に対応した、フィルム入れのボックス(折り畳み式コンテナ・・・常時放射線部の受付カウンターの下にある)を用意し、放射線部の写真と緊急検査部の結果表専用として放射線部の受付前に置くようにしています。
番号が1から10を1単位として、現在6個ですが次年度に5個購入しトリアージ番号110まで対応していくつもりです。
(利点)
手術室、病棟に移送の際のエレベータに近い。緑色タグ患者の急変にも場所的に近く、撮影は必要。廊下などは責任医師の目が届くし、声が届かなくても誰かが気付きやすいと思います。
(欠点)
一方通行でない為、少し込み合った場合声かけながら横を通らなければならない場合が有ります。
(詳細)
責任者は放射線部に於ては副技師長が行い、各撮影室は2名で行い、撮影済みフィルム確認は責任者が行う(ボックス間違いを防ぐ)。
撮影に関しては四肢は一方向のみ。何処が悪いか判らないような患者に関しては臥位にて胸腹正面(腹部は骨盤含めた下腹部)撮影。
その他、付き添った医師の判断で追加撮影となる。
救命センターに(赤色タグ患者)3から4名を派遣する様にしていますが、まず2名で対応します。技師は最低12,3名が駆けつけるようにしたいと思います。
以上簡単ですが、福大病院のトリアージ訓練に関しての責任者(松本)の考えていたものを列挙しました。訓練では非常に好評でした。参考になれば幸いです。
放射線部は赤、黄、緑の色分けでは黄色に振り分けられます。
用意するものはトリアージ番号に対応した、フィルム入れのボックス(折り畳み式コンテナ・・・常時放射線部の受付カウンターの下にある)を用意し、放射線部の写真と緊急検査部の結果表専用として放射線部の受付前に置くようにしています。
番号が1から10を1単位として、現在6個ですが次年度に5個購入しトリアージ番号110まで対応していくつもりです。
・緊急連絡網により放射線部全員の呼び出しを駆けます。
・到着順に一般撮影室、CT室の電源を入れ、看護師準備室開放、指定廊下のイス撤去(廊下を処置室として使用)を行います。
・撮影室1部屋に2名配置、CTはまず1室だけ使用(人員が確保次第 順次使用する)
・血管造影室は一部屋使用で残りは酸素、徐細動器、心電図等を使用する目的として開放。担当技師は2名
・処置台はストレッチャーとし、点滴台は放射線部の物を看護師準備室に病棟、外来看護師が集めます。
・看護師準備室は血管造影に必要な物品、薬品、縫合セットが常時有ります(その前の廊下がCT、血管造影室入り口、処置場所)
・ 処置場所に放射線部の救急カート(昇圧剤、点滴ボトル、挿管セット 等が用意している)6台を集めます(看護師)合計約20名は処置出来る想定で考えています。
・到着順に一般撮影室、CT室の電源を入れ、看護師準備室開放、指定廊下のイス撤去(廊下を処置室として使用)を行います。
・撮影室1部屋に2名配置、CTはまず1室だけ使用(人員が確保次第 順次使用する)
・血管造影室は一部屋使用で残りは酸素、徐細動器、心電図等を使用する目的として開放。担当技師は2名
・処置台はストレッチャーとし、点滴台は放射線部の物を看護師準備室に病棟、外来看護師が集めます。
・看護師準備室は血管造影に必要な物品、薬品、縫合セットが常時有ります(その前の廊下がCT、血管造影室入り口、処置場所)
・ 処置場所に放射線部の救急カート(昇圧剤、点滴ボトル、挿管セット 等が用意している)6台を集めます(看護師)合計約20名は処置出来る想定で考えています。
(利点)
手術室、病棟に移送の際のエレベータに近い。緑色タグ患者の急変にも場所的に近く、撮影は必要。廊下などは責任医師の目が届くし、声が届かなくても誰かが気付きやすいと思います。
(欠点)
一方通行でない為、少し込み合った場合声かけながら横を通らなければならない場合が有ります。
(詳細)
責任者は放射線部に於ては副技師長が行い、各撮影室は2名で行い、撮影済みフィルム確認は責任者が行う(ボックス間違いを防ぐ)。
撮影に関しては四肢は一方向のみ。何処が悪いか判らないような患者に関しては臥位にて胸腹正面(腹部は骨盤含めた下腹部)撮影。
その他、付き添った医師の判断で追加撮影となる。
救命センターに(赤色タグ患者)3から4名を派遣する様にしていますが、まず2名で対応します。技師は最低12,3名が駆けつけるようにしたいと思います。
以上簡単ですが、福大病院のトリアージ訓練に関しての責任者(松本)の考えていたものを列挙しました。訓練では非常に好評でした。参考になれば幸いです。