第11回循環器被ばく低減技術セミナー
主催:全国循環器撮影研究会
共催:東北循環器撮影研究会
日本放射線技術学会
放射線防護
計測分科会
後援:日本放射線技術学会東北部会


セミナー開催日
日     時 :平成18年 9月 23日(土曜日、祝日) 9:00〜17:00
会     場 :弘前大学医学部臨床小講堂
参 加 人 数 :57名
受  講  料 :3000円(テキスト代を含む)

第11回循環器被ばく低減技術セミナー開催報告
             弘前大学医学部附属病院放射線部  木村 均
 全国循環器撮影研究会第11回循環器被ばく低減技術セミナーは、日本放射線技術学会放射線防護、計測分科会、東北循環器撮影研究会の共催、日本放射線技術学会東北部会の後援を受け、平成18年9月23日(土曜日、祝日)、会場を弘前大学医学部臨床小講堂とし、募集定員50名にて開催された。
 開催地の青森県内では血管撮影を行っている施設は少なく、募集当初は参加者数も伸びず大変心配であったが、結果として57名の申し込みとなった。昨今のマスコミの報道にもあるように、医療被ばくは無視出来ないレベルに達しており、きちんとした意識を持って望まなくてはならないとの気持の現れであろうと思われた。
 被ばくに関して体系付けたセミナーを行っている唯一と思われる全国循環器撮影研究会としての目標である、IVR時の被ばく低減を目指す本来の目標から外れるかも知れないが、この技術の習得は我々放射線技師には必須であり、それによる国民への還元の大きさは計り知れず、このセミナーの意義の大きさを感じさせられた。
 講習終了後の感想では、放射線の人体への影響を講義して頂いた弘前大学医学部放射線医学講座 阿部由直教授のスライドに示されていた、現在でもまだ放射線により手指の皮膚ガンが発生しているとの報告には驚かされた。また講義に関しては、測定法は学生の時に習ってから時間が経過しており、最新の情報を得られて良かった。それだけに、講義の時間が短い、測定の実習を希望する等の意見が多く、各施設とも線量の把握、測定法に関して困っている事がうかがわれ、被ばく低減技術の向上、確立へ向け今後の課題をもらったような気がした。 後日、塚本講師の「被ばく線量低減は、小さくても、まずなにか出来る事から始めましょう」の言葉や、散乱線の発生場所はX線管側である等、今まで思っていたのと違っていただけに目から鱗が落ちましたと、受講生のみならず、受講生の施設の医師からも言われたときは、私こそ目から鱗で反響の大きさには驚いた。
 講習当日は抜けるような快晴となり、この季節には珍しく暑い日で、暗幕を掛けた会場は講師と受講生の熱気で汗だくであったが、終了時にはなにか吹っ切れたような爽やかな雰囲気を感じられた。
 最後に、このセミナーの開催を快諾して頂いた全国循環器撮影研究会、日本放射線技術学会、関係に方々に感謝申し上げます。
 また、遠くから来て頂いた講師の皆様には感謝申し上げます。


プログラム
総合司会:木村 均
8:50〜          開会挨拶

9:00〜10:00    講演T 放射線の人体への影響
          阿部 由直 (弘前大学医学部放射線医学講座教授)

10:10〜11:10    講演U IVRの臨床被ばくの実態と防護対策
          吉村秀太郎 (新潟大学歯学総合病院)

11:20〜11:50   品質管理
          加藤 守  (秋田成人病センター)

11:50〜12:20   法令
          佐藤 州彦  (みやぎ県南中核病院) 

12:20〜13:20   昼食

13:20〜14:20   X線防護用具
          江口 陽一  (山形大学医学部附属病院)

14:30〜15:30   X線装置による被ばく低減
          塚本 篤子  (NTT東日本関東病院)

15:40〜16:40   線量測定法
          千田 浩一  (東北大学医学部保健学科)

16:40〜17:00   修了証書授与と閉会挨拶 





セミナー風景
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