小腸の腸間膜です。小腸は栄養吸収の場所です。小腸は
腸間膜動脈(art)
から酸素が供給され、その末端が腸壁に
見ることができます。そして腸で吸収された栄養に富んだ血液
(酸素が少ない静脈血)は上腸間膜静脈(ven)となり肝臓に
門脈系の一部となって流れます。 腸間膜は上下を漿膜で挟ま
れた二重膜です。
門脈系およびその周辺の構造

門脈系は腹部臓器の血液を集めて肝臓に入る血管です。
小腸と大腸の一部からは上腸間膜静脈、 大腸下部から
は下腸間膜静脈さらに脾臓から脾静脈となって肝臓に流
れます。下の写真は上腸間膜動静脈を示しています。
門脈系と肝臓との関係で大切なポイント
1 腹部臓器のほとんどの血液を集めて肝臓に運ぶ血管 
  系であること。
   (腎臓は腎静脈から直接下大静脈に入る点に注意、卵
  巣や精巣の静脈は右は下大静脈に左は左腎静脈に流
  れる)
2 門脈系を構成する左の4つの静脈を覚えましょう。左図
  では胃小弯、食道下部から合流する左胃静脈も門脈に
  含まれます。
脾静脈、左胃静脈、上腸間膜静脈、下腸間膜静脈
3 動脈との関係を理解すること(動静脈名)
4 肝門には総肝動脈の分枝である固有肝動脈、門脈、 
  肝管(胆 汁の出る管)があること。
5 肝臓から心臓に戻る血管は肝静脈で肝門を経 由しな
  いで直接下大静脈に開口すること。

注)固有肝動脈は腹腔動脈から分枝した総肝動脈から分
  岐します。
  門脈と側副循環を参照
art
ven
lag
lym
腸間膜に脂肪組織がほとんど見られません。栄養と吸収に
関わる動静脈と白く雲状に見られるのがリンパ管や神経で
す。そして所々に途中にリンパ節(lym)があります。また血
管同士の豊富な吻合のループに注意してください。
門脈系循環
右上写真の拡大。腸管に出入りする上腸間膜動脈枝が赤く
静脈枝が黒っぽく観察されます。白い線はリンパ管と血管に
並行する神経です。
回腸の表面で見られる細いリンパ管(ly)。食後の脂肪吸
収でリンパ液が白く濁って見られます。
回腸粘膜を透過光でみると管壁中の血管網がよくわかりま
す。ここでは動静脈の区別はつきません。
左の拡大。縦の2条の線は輪状ヒダ(矢印)です。血管網
が良く発達しています。
lym
lym
art
 脾静脈  脾臓でフィルター(脾洞)にかけられ古くなった赤血球は破壊され肝臓に戻され再利用されます。
 左胃静脈  胃小弯側、胃噴門周辺の静脈血を回収します。
 上腸間膜静脈  小腸で栄養吸収された静脈血の全部、盲腸、上行結腸、横行結腸から回収します。
 下腸間膜静脈  下行結腸、S状結腸から血液を回収します。水分、電解質を含みます。
ly
小腸から栄養に富んだ静脈血を集める。
結腸から電解質、水分を集める。
胆汁の材料を肝臓に運ぶ。