骨格筋は手足の骨格に接着する随意性の筋組織です。骨格筋の運動は脳
運動中枢にあり、錐体路からの刺激によって動きます。ただ食道の骨格筋
は自律性(不随意性)で自分の意志によって自由に動かすことはできません
。骨格筋の線維は数センチと長く、細胞核が細胞周囲に位置し、アクチン糸
とミオシン糸の規則性のある重なりによって横紋が見られます。筋線維は多
数の筋原線維の集まりからなり、筋原線維は筋細糸という単位の集まりから
なっています。筋細糸はアクチンとミオシンの重なりによって暗帯と明帯にわ
けられ、筋収縮のメカニズムは神経シナプスによってCaイオンの動態変化に
と細胞内筋小胞体からの細胞内濃度の上昇によって起こります。このアクチ
ンとミオシンの相互のズレ(滑走説)によって起きると言われます。肉眼では
骨格筋の色は赤茶色です。
心筋は横紋筋に属します。骨格筋と同じ横紋筋ですが、もちろん自律性の
筋組織で、その運動は延髄の心臓運動中枢および心臓自身の刺激伝導系
によって調節されています。心筋細胞は一つ一つの細胞が介在板中のギャ
ップ結合によって接着した合胞体細胞です。この構造によって心筋細胞は長い線維構造をとります。心筋細胞の一つ一つは勝手に動き出す自動性がある
ため、連動性のある線維構造としてまとめるために、この調節を刺激伝導系
が担っています。心筋の細胞は横紋筋ですからそれを見ることができます。
細胞核は中央に位置し、細胞核の周囲に消耗性顆粒(リポフスチン)をよく
見ます。心筋梗塞など異常な筋収縮時には横紋の構造の乱れと破壊が見
られます。心筋の色は赤みがあります。(心筋線維の写真は循環器の「心
筋線維」を参照)
平滑筋の縦走面で筋線維は一定方向ですが細胞とし
て見ると通常の染色では形態がはっきりしません。
またアクチンやミオシンがありますが骨格筋のように
規則性のある配列を示さないために横紋構造が見ら
れません。(HE染色)
平滑筋の横断面で筋線維の形態もはっきりしません。
(HE染色)
骨格筋の縦走面では筋線維の走行がはっきりしていま
す。線維周囲に細胞核が位置し、もう少し強拡大にする
とHE染色でも横紋を確認する事ができます。また骨格
筋は染色性でも好酸性に染まってきます。(HE染色)
骨格筋の横断面は筋線維の一つ一つが筋内膜により
区分けされて観察され、筋線維束の外側は筋周膜に
囲まれます。線維の外側に細胞核があります。
(HE染色)
筋組織1
平滑筋は内臓筋と呼ばれるように、腹腔臓器などの筋組織です。平滑筋
の運動は不随意性で自律神経によって調節されています。筋細胞は紡錘
性で縦に長く細胞核は細胞中央に位置しています。平滑筋の細胞骨格は
微細線維(micro filament)としてアクチン、ミオシンがありますが規則性のあ
る配列を示さないため横紋が見られません。
平滑筋は腸管の内輪筋、縦走
筋(食道の一部を除いて)に、また管腔を構成する気管や尿管、血管も平滑
筋からなります。平滑筋は肉眼ではわずかに黄色みのある白い筋肉です。
染色性は骨格筋より薄く染色されます。平滑筋の収縮過程は骨格筋と同じ
であろうと考えられていますがはっきり分かっていません。
骨格筋
心 筋
平滑筋