塞栓症とは
血液とともに流れてきた体構成物質、外来物質が血管を閉塞
し、障害を発生させます。その結果いろいろな症状を起した状態を塞栓症といいます。この原因物質を塞栓(栓子)と呼び各種の物質があげられます。

1・生体構成物質(脂肪、骨髄)
2・生体内で生じた物質(血栓、腫瘍、羊水)
3・外来性物質(空気)

塞栓子の性状は固形物、ガス状、液状といろいろです。
肺の脂肪塞栓症は外傷による骨折が原因です。骨折周囲の軟部組織、特に脂肪組織が破壊され静脈に流れ込みます。脂肪は心臓から肺動脈枝(pa)に到達しさらに末梢の肺胞壁毛細血管(cap)に達します。骨折時の肺循環不全はこのように発生します。(oil赤染色)
cap
pa
上の写真と同じ例です。血管のY状分岐に沿って脂肪
が血管壁に付着しています。肺循環不全は呼吸障害
であり結果的に強い肺浮腫を招き死亡します。
(oil赤染色)
肺動脈血栓症の原因の多くは膝窩静脈、脛骨静脈に出来
た血栓が肺動脈枝に飛んだ結果によります。写真の右が器
質化し始めた静脈血栓(vtr)です。(EV染色)
pa
cap
vtr
trmb
肺動脈分岐部に血栓が飛んで急性肺塞栓症を起こした
例です。多くの肺動脈血栓症は下腿の静脈で発生し、
少しずつ肺に到達します。これらは器質化(線維化)し
た例が多く、急性の場合は肺動脈本管を塞ぎ突然死を
招きます。(HE染色)
血栓症血管壁の写真です。血管内皮は傷害され血栓が
強く固着しています。血栓の転機は溶けて融解するか、
血管壁に取り込まれます。赤血球は黄色く、線維素(フィ
ブリン:fib)は赤く線維状に染まっています。組織に取り込
まれる場合は血管壁から線維芽細胞と毛細血管が侵入し
肉芽組織に置き換え器質化します。(MT染色)
tme
肺塞栓症の原因に腫瘍組織の血行性転移もあります。
塞栓症の原因となります。この写真では腫瘍組織(tme)
が血管に入り込んでいます。(HE染色)
肝癌腫瘍塊の肝静脈への転移、さらに肺動脈への太い
血行性転移も時に見られます。
fib
vein