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NL7_52

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  第52回大会報告一覧 印刷用PDFファイル(セクション5 細菌・血液活性)

一般演題セクション5(細菌・血液活性)のまとめ

 報告者:座長 武隈清(あいち健康の森健康科学総合センター)


C会場では、「細菌・血液活性」のセクションで計3題の担当いたしました。半田保健所からは、冷蔵条件における粉わさびの腸炎ビブリオに対する抗菌作用についての発表でした。常温条件での報告は多数なされているが、冷蔵条件での検討は少ないという背景のもと、様々な条件下での粉わさびの抗菌作用を検討され、また、食品中の脂質含有量により粉わさびの抗菌作用が影響を受けることを説得力のある研究デザインでご提示していただきました。
残り2題は、名古屋市立大学からウルトラマラソンランナーを対象とした研究報告のレース前後における血液検査所見の変化等について発表していただきました。2題中の最初の報告は、心理的状態と関連する可能性が考えられるβエンドルフィン、セロトニンについて、ウルトラマラソンレース前後での経時的変化についてのものでした。もう一方の報告は、免疫能の指標であるナチュラルキラー細胞活性について、ウルトラマラソンランナーでは一般人のデータと比較して高いこと、またレース直後にはそれが一時的に低下するというものでした。身体活動が高血圧、糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防に有用なことは公衆衛生関係者に広く認識されています。また、心理面、免疫機能にも身体活動が好影響を及ぼすことも明らかにされていますが、その評価指標は十分ではありません。これら2題の報告では、身体活動が健康に与える影響について、公衆衛生関係者にとっては従来と異なった視点で見ることができたと思われます。また、洗練されたデータ解析の手法もさることながら、レース前に競技者から採血検査の同意を得るという困難な研究を実施された大学関係者の熱意に感銘を受けました。
今回のセクションで発表された3題のいずれの演題も、研究の方法論について公衆衛生関係者に様々な示唆を与えてくれたものと思われました。

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