[次頁|http://plaza.umin.ac.jp/~tpha/cgi-bin/wiki3/wiki.cgi?page=NL1%5F53]   [第53回大会報告一覧|http://plaza.umin.ac.jp/~tpha/cgi-bin/wiki3/wiki.cgi?page=%C2%E853%B2%F3%B3%D8%BD%D1%C2%E7%B2%F1%CA%F3%B9%F0] {{img NL3_52:pdf_logo_trefoil.JPG}}[印刷用PDFファイル【学会学術大会の概要と特別講演】|http://plaza.umin.ac.jp/~tpha/cgi-bin/wiki3/wiki.cgi?action=ATTACH&page=NL0%5F53&file=NL0%5FSummary53%2Epdf] !!!第53回東海公衆衛生学会学術大会の概要と特別講演 !報告者:大会長 西口 裕(三重県健康福祉部) !1.学術大会の概要  第53回東海公衆衛生学会学術大会は、平成19年7月28日(土)に三重大学三翠ホール他で開催された。今回のメインテーマは、医療構造改革が推進されているなか「働く世代の健康支援〜医療制度改革を踏まえて〜」が取り上げられた。開催日当日は、天候にも恵まれ、参加者177名を得て盛況に開催された。大会は、午前中は開会式に引き続いて4会場で一般演題47題(口演26、示説21)と特別講演「働く世代の健康支援」が行われた。特別講演は、公衆衛生従事者の資質向上の企画として日本公衆衛生学会から後援を頂いた。午後は、総会とシンポジウム「働く世代のヘルスプロモーション」が行われた。尚、大会終了後には、新たな企画として本学会と三重県の共催で公開講座「地域・職域連携のための医療費分析等の疫学入門」が開催された。参加者177名の内訳は、会員99名、非会員27名、学生33名、その他(シンポジスト等)18名であった。地域別では愛知県41名、名古屋市17名、岐阜県20名、静岡県16名、三重県39名、未記入11名であった。職種別では学生及び所属未記入者(12名)を除き、医師49名、保健師29名、教員10名、栄養士9名、事務職8名、獣医師6名、薬剤師6名、運動指導士2名、歯科医師1名、看護師1名の順であった。学会終了後開催した公開講座では、浜松医科大学健康社会医学講座 尾島俊之教授から医療費分析等の疫学についての基礎から実践までの有意義な講義があり、活発な議論がなされた。 このように多職種の参加に加え、各会場では活発な討論が行われた。皆様の協力のお蔭で、当初の目的を達成でき感謝申し上げます。 !2.特別講演「働く世代の健康支援」  特別講演は「働く世代の健康支援」と題して、産業医科大学公衆衛生学教室の松田晋哉教授より頂いた。平成18年度の医療制度改革に基づき平成20年度から、各医療保険者が加入する40歳以上の者に対して実施される生活習慣病健診「特定健診・特定保健指導事業制度」の導入に至る背景及びその意義が説明された。日立健康管理センターでの実践例を紹介され、内臓脂肪型肥満を予防することで糖尿病を始めとする生活習慣病をある程度防ぐことができるとの考えが示された。特定健診・保健指導事業の課題として1)「よりシンプルなシステムの必要性がある」として、現在示されている特定健診・特定保健指導事業が硬直的で重すぎるきらいがあり、様々な関係者の知恵を引き出すことができる仕組みづくりが必要とされた。2)「コンセプトメーキングの重要性」として、生活習慣病という自覚症状がない症候群に対する、特に、自覚症状のない30代、40代に対していかに健康づくりの関心を高めるか、国民に健康に配慮した生活が新しい価値をもつライフスタイルとして受け入れられるためのコンセプトメーキングの重要性を指摘された。さらに3)「非正規雇用者への対応」として、この集団にどのように効果的にアプローチするか(できるのか)考えておかないと、今回の特定健診・特定保健指導事業が新たな健康格差を助長するとの重要な指摘がなされ、生活と健康に関する個人の責任を認めた上で、やはり個人を平等に支援する社会的仕組みが必要だとまとめられた。 今後の公衆衛生の展開に向けて極めて示唆に富む特別講演だった。