第38回日本胸腺研究会の開催にあたって

 
このたび,伝統ある本研究会の会長にご推挙いただき心より御礼申し上げるともに会の充実を図るため微力ながら全力を注ぐ所存です.
 胸部を専門とする画像診断医として,昭和58年の卒業以来,神戸大学名誉教授河野通雄先生,名古屋市立大学名誉教授大場 覚先生に薫陶を受けてまいりましたが,いつの間にか35年の月日が経過してしまいました.臨床では,名古屋市立大学呼吸器外科歴代教授の正岡 昭先生,藤井義敬先生,さらに優秀スタッフである山川洋介先生,丹羽 宏先生,矢野智紀先生らとともに,毎週術前術後カンファレンスで議論を重ね,胸腺上皮性腫瘍をはじめとする縦隔病変全般において,マクロおよびミクロ病理像と画像所見とを比較検討するradiological-pathologicalcorrelation (放射線学的病理学的相関)を1例1例実直に積み重ねることより,術前画像診断の精度向上に取り組んで参りました.病理診断では特に栄本忠昭先生,立山 尚先生との議論を通じ胸腺病変の奥深さを勉強いたしました.
 本会は,基礎医学,神経内科,呼吸器外科,病理学,放射線科が主な会員であり,多業種間での議論がなされる他に得がたい研究会ですが,最近では胸腺疾患を罹患した患者あるいはその関係の方々も会員として研究会に参加されており,より視野を広げて発展しています.歴代の会長のお名前を拝見すると,放射線科医の会長は初めてのことと思われ,感慨深いものがあります.名古屋大学呼吸器外科横井先生が開催された第37回の本会では胸腺病変関連52症例を1日で勉強することができ,非常に充実しておりました.
 2009年本会より,臨床・病理 縦隔腫瘍取扱い規約第1版が上梓されました.この際,画像診断部門を担当しましたが,縦隔の区分が当時まだ各診療科間で共有されていないことに驚かされました.放射線科では古くから,多くの臨床例より定められた胸部単純X線写真側面像を用いたFelson区分を使用していましたが,解剖,病理では古典的な分類が主流でFelson区分の認知度は低く,呼吸器外科や食道外科でもFelson区分は一般的ではないようでした.この規約ではCT時代にふさわしい区分を目標に,多くの臨床例を多施設から持ち寄り臨床的有用性に重点を置き作成しました.病理の先生からいただいた,この規約で最も衝撃的なのはCT区分であったとのお言葉はいまでも鮮明に耳に残っています.このCT区分は2014年本会の英語表記であるJART (Japanese Association for Research of Thymus) 区分として英文として発表されましたが(Oncol Rep 2014, 31:565-572.),世界的な組織であるITMIG(International Thymic Malignancy Interest Group)によりmodifyされたITMIG区分としてrenewalされ(J Thorac Oncol 2014, 9(Suppl 2):S97-101),今後世界中で用いられることになります.
 第38回日本胸腺研究会は,2019年2月2日(土),名古屋は桜山,名古屋市立大学医学部の地で開催いたします.少しでも多くの会員の方々の御参加をお待ちしております.何卒よろしくお願い申し上げます.


第38回日本胸腺研究会
会長 原 眞咲

会告

第38回日本胸腺研究会
会長: 原 眞咲
(名古屋市立西部医療センター 放射線診療センター長
 名古屋市立大学大学院 高度医療教育研究センター 教授)
日時: 平成31年2月2日(土)
会場: 名古屋市立大学 桜山キャンパス
医学研究科・医学部研究棟11F講義室A
〒467-8601 愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1
主催事務局: 名古屋市立大学大学院医学研究科 放射線医学分野内
第38回日本胸腺研究会事務局
〒467-8601 愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1 
Tel:052-853-8276 Fax:052-852-5244
E-mail: kyosen38@med.nagoya-cu.ac.jp
(担当:小澤 良之)
参加費: 3000円
ランチョンセミナー: (演題未定)
演題募集期間: 平成30年9月14日(金)— 11月16日(金)(予定)
情報交換会: 研究会終了後、情報交換会開催(午後5時30分〜午後7時予定)

演題募集要項

■募集内容
  • 1.演題募集期間:平成30年9月14日(金)~11月16日(金) 11月30日(金)延長となりました
  • 2.演題は主として一般演題での口演を予定しております。
  • 3.演題は電子メールで受け付けます。

    ①演題名 ②所属施設 ③演者名 ④抄録本文 ⑤連絡先(住所・電話番号・メールアドレス)を   ご記入の上、下記メールアドレスにお送りください。
    文字数は演者名・所属施設・抄録本文を含め800字以内とさせていただきます。

    演題送付先: kyosen38@med.nagoya-cu.ac.jp

    主催事務局(第38回日本胸腺研究会事務局)
    〒467-8601 名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1
    名古屋市立大学大学院医学研究科 放射線医学分野内
    (担当:小澤良之)
    TEL: 052-853-8276 (医局) FAX: 052-852-5244
  • 4.演者と共同演者は本研究会の会員であることが原則となっております。未入会の方は下記研究事務局
      への入会の申込みをお願いいたします。


【入会に関するお問い合わせ先】
  日本胸腺研究会事務局
  大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器外科学教室内
  〒565-0871 吹田市山田丘2-2(L5)
  電話06-6879-3152 Fax06-6879-3164
  E-mail: kyosen@thoracic.med.osaka-u.ac.jp