ガルウイング化の現状について 改訂♪

2003.9.


セリカのガルウイング化をHPに公開してから、毎日のように問い合わせメールが来るようになりました。
同じ返答を書き続けるのも苦痛なので、取り付けに関する現状を僕なりにまとめてみました。

1.ガルウイングの歴史

最初からガルウイングのクルマとしてはランボルギーニとセラが有名です。ヒンジだけでなく、フェンダー、ドアミラー、全て最初からそのために設計されているので、普通のクルマに同じヒンジを適用することは不可能です。また、ダンパーのへたりによってドアが支持できなくなる、ドア位置がずれて雨漏りがする、などのトラブルもあったようです。トヨタ純正品といっても・・・。

他車種にガルウイング化する手法としては、リヤハッチ・ボンネットなどのヒンジ・ショックを加工して新たにヒンジをワンオフするのが大半でした。(100万円超が常識)。DIYで敢行された方も何人かいるようです。


ガルウイング化が簡単に出来るようになったのはこのキットが作られはじめてからです。Decahのキット(patentですのでご注意を)で、立体ヒンジの組み合わせで2アクションであがるようになっています。他にも数種類のキットもありましたが、剛性が不十分で日常使用には耐えられなかったようです。

現在、このキットはアメリカでは1500〜2000米ドル、日本では25万円程度で取り引きされています。金属加工屋さんに見てもらいましたが、「量産化しない限りワンオフでコピー品を安く作る事は不可能」とのコメントでした。ショックも適切なものをワンオフするとかなりの費用になるので現実的ではありません。日本ではY's factoryというガルウイング化で有名なショップはピロボールを支点に用いたオリジナル(?)キットを使用しています。ピロボールを用いることにより動きの自由度が高い分、あがるときにはぐらぐらします。どちらがいいかは個人の好みの問題だと思います。

以上より現時点でのガルウイング化の最低費用は20万円(工賃除く)、です。但し、日本のショップもヒンジを開発中なのでそれを待つのもいいでしょう。

2.ヒンジの入手

ヒンジは部品の輸入の経験があって、英文メールがやりとりできれば簡単に入手できます。バックオーダーで製作しても1ヶ月、在庫があれば1週間ほどで到着します。VDC (vertical door conversion) kitという名前です。


但しいずれもヒンジにあけてある穴の位置の違いだけなので、他車種用も穴の位置をずらせば簡単に流用できます。
ヒンジの穴の位置を測ってみて、近い車種のものをオーダーすると良いでしょう。エアロを組んでいる方は、ドア(特に前側)とサイドステップもしくはフェンダー後部が干渉するかも知れません。その場合にはエアロのラインの修正と再塗装が必要になります。また、フェンダーが薄い車種(軽自動車等)はブリスターフェンダー化が必要になるはずです。

3.ヒンジの注文

個人輸入送料。それぞれ参照してください。なお、VDCキットを扱っているインターネットサイトはほかにも多数ありますが、アメリカのサイトは詐欺も多いので信用できるところを選択しましょう。英語が苦手な方は、ショップに頼みましょう。僕への輸入代行依頼はお断りしています

4.ヒンジの取り付け

HPの趣旨と矛盾するようですが、個人でのDIYは全く薦められません。"安く上げたい"のであれば最初からガルウイング化は考えるべきではありません。ドアの位置あわせが非常にシビアなので、一般のショップではなく経験のある板金屋さんに頼むべきです。エンジン・足回りをいじるのとは全く違った難しさがあります。


ドアの位置を正しく出すためには穴の加工と溶接、シーリングが不可欠です。

両側サイドステップ、フロントバンパー、ライト、フェンダーを外す必要があります。そこからキットの加工、ドアの位置あわせ、溶接、となります。工賃についてはお店によって全く違うと思います。工賃は10万以上になる可能性が高いです。

ショップではキット+工賃で30万以上、というのが相場のようです。

5.ヒンジのメンテナンス

ヒンジには定期的にグリスアップしたほうが良いようです。位置を修正する際にはフェンダーを取り外さないといけません。ショップに頼めばかなりの工賃が発生するので、取り付け後のフォローもしてくれるショップを選ぶべきです。

6.ドアの開け閉めについて

ドアのヒンジの性質から、純正と完全に同じ位置にドアを持ってくるのは難しいです。ガルウイング化してあるデモカーの写真をよくみるとわかりますが、フェンダーとずれている車両が多い。ドアの開け閉めもストライカーやパネルと干渉しているようです。セリカではゴムパーツが大きめなので、数mmのずれであれば雨漏りはしませんが。

ガルウイング化するとわかりますが、基本的に他人にはドアの開け閉めをさせないのが大切です。ドアを限界以上にあけようとしたり、上から叩きつけて下げたりすれば、ヒンジは簡単に壊れるでしょう。数十kgの重さのドア+てこの原理で、ヒンジにはかなりの応力がかかっています。ガソリンスタンドの給油時、ドアボーイがいるところ、等では、ドアロックで自己防衛してください。「ドアを開け閉めさせてくれないか」としょっちゅう言われると思いますが、数十万円の責任が取れない人にはドアを触らせるべきではありません。ドアの角で頭をぶつけたり、怪我をする可能性もあります。イベントでもガルウイングのドアには決して触れないでください。

ドアの開け閉めですが、それなりに力(おそらく数kg)が必要になります。特に女性が車内からドアを跳ね上げるのは難しいと思います。取っ手をドアにつける(ランボルギーニなどでは標準装備)のもいいですが、外側からドアを代わりに開けてあげるのが一番です。decahのショックは非常によく出来ているので、ドアは任意の高さで止めておくことが出来ます。

結局、オープンカーと一緒で日常使用の不便さはありますが、通勤仕様でも十分可能です。

僕個人は、ガルウイング化を真剣にお考えの方には協力を惜しまないつもりです。手間と費用はかかりますが、とても面白い改造です。しかし残念ながら冷やかし半分でショップに電話をかけたり、問い合わせメールをする方が非常に多いようです。ヴェイルサイドでも取り扱いをはじめるようですが、既に非常に多くの問い合わせがあるようです。ここまで読まれて、それでもガルウイング化をお考えの方は、直接どちらかのショップに出向いてゆっくり相談されてみてはいかがでしょうか?

それでも、DIYでされるツワモノの方は、、こちら(取り付け手順)にどうぞ!

2003.10. 追記

ガルウイング化して2ヶ月経過しました。僕は毎日クルマを運転し、走行距離も月1000km以上になっています。2ヶ月の経験を踏まえて、少し追記します。

○実用性

 ドアの上げ下げが面倒&気を使うことから、実際にはドアを上げず隙間から乗り降りすることのほうが圧倒的に多くなりました。荷物は面倒なのでトランクに積むことが多くなっています。実用性から言えば、明らかなマイナスです。

○耐久性

 今のところ、ヒンジ・ショックともに問題なく経過しています。イベントにおいて数時間、ドアを上げっぱなしのことも何度もありましたが、ドアが勝手に落ちてくることは一度としてありませんでした。溶接のおかげか、開け閉めによりドアのチリがずれてくることもなく、取り付けときと同じように開け閉めが可能です。大雨でも雨漏りがすることもありませんでした。

○助手席の反応

 助手席のドアの開け閉めは、こちらで全部やってあげないといけません。ドアを助手席の人がいつものように自分で開けようとしてヒンジを壊してしまうと面倒なことになるので、理解しているごく小数の人しか乗せなくなりました。

2003.11. ガルウイングリンク

海外で見つけたガルウイングのリンクです。

ガルウイングヒンジの考察 (アメリカ)

ワンオフガルウイングキットの販売(アメリカ)

2004.7. ガルウイング取り扱いショップ

ここ数ヶ月で、数種類のガルウイングキットが発売されました。いずれも、Decahのキットと似た2軸によるものです。
国内もしくは韓国生産で、価格は12万〜30万が現在の相場です。もはや、どこのキットがいいのか、把握できなくなってきました。

いずれにしても、おきうる今後のトラブルも考慮に入れて、最初の支払い価格にとらわれず、ショップの方とよく相談されるのがいいでしょう。

ガルウイングを取り付けているショップ
 S2 Project (ガルウイング化の困難なNSXをはじめとして、多車種に対応されています)
 Car's factory (格安キットからDecahのキットまで取り扱われています)