一般社団法人 日本小児リウマチ学会

一般社団法人 日本小児リウマチ学会

COVID-19 Q and A

小児リウマチ性疾患の患者さん・ご家族向けQ and A


2020/3/9
日本小児リウマチ学会 感染対策委員会

一般的な小児に関わるQ and Aは日本小児科学会がホームページ上に掲載されております。そちらもご参考いただきますようお願い申し上げます。
日本小児科学会ホームページ「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A」(WEB)(3/3一部修正)
pdfファイル;(3/3一部修正)

Q1:感染予防に対して小児リウマチ性疾患の子どもが特に注意すべきことはありますか?
Α1:

感染予防が重要です。特に手指消毒用アルコール、石鹸での手洗いによる手指衛生です。また、人込みで過ごす場合も注意が必要となります。適切なマスクの着用と咳エチケットも実施してください。
小児リウマチ性疾患を持つ多くの患者さんがステロイドをはじめとする免疫抑制薬による治療がなされていると思います。新型コロナウイルス感染症では基礎疾患を有さない小児は重症化する割合が低いとされています。現時点では、リウマチ性疾患をもつ方、免疫抑制薬や生物学的製剤などの免疫抑制治療を受けている方が新型コロナウイルスにかかり易くなる、あるいは重症化するというデータはありません。
有効なワクチンや治療薬がない中では、感染しないことが最も重要と考えられます。


参考)

1. 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q13


Q2:小児リウマチ性疾患の子どもが新型コロナウイルス感染による症状が出現したかもしれないと思ったら早めに医療機関を受診した方がいいですか?
Α2:

医療機関に受診する前に、主治医の先生と連絡をとり感染状況と症状を相談してください。主治医と連絡が付かない場合は最寄りの「新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター」に相談してください。一般的な目安は、風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合 ・ 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合とされていますが、免疫抑制薬にて治療を受けている場合、重症化を来す可能性が不明であるため風邪症状や微熱、だるさ、呼吸困難が出現し2日程度続いた場合に相談することが勧められています。


参考)

1.日本環境感染学会 http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide2.pdf

2.厚生労働省「新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html


Q3:現在処方されているステロイドや免疫抑制薬、生物学的製剤を使い続けても大丈夫ですか?
Α3:

新型コロナウイルス感染症は、高齢者、特に喘息、糖尿病、心臓病、悪性腫瘍などの基礎疾患をもっている方の重症化リスクが高いと報告されています。一方で小児は重症化リスクが低く、10歳未満では死亡報告はありません。
小児リウマチ性疾患が新型コロナウイルス感染リスクの上昇や重症化したというデータはありません。そのため、新型コロナウイルス感染リスクを理由に現在のステロイドや免疫抑制薬、生物学的製剤を中断することは勧めておりません。現在の治療薬の減量・中止により原病が再燃・増悪する可能性があります。
ただし、新型コロナウイルス感染症と診断された場合には、重症化のリスクも考えられます。通常の感染症同様に主治医と相談し、治療薬の検討をお勧めします。
特にステロイドに関しましては、自己判断による中断・中止は避けて、治療内容を主治医と相談して下さい。体調が悪い時には体にとってステロイドは必要であり、プレドニゾロンの服用中は、体が天然のステロイドを作る機能が低下しているため、副腎機能不全(倦怠感・低血圧・嘔気・意識消失・低血糖など)になることがあります。


参考)

1.日本リウマチ学会HP https://www.ryumachi-jp.com/information/medical/covid-19_2/

2.リーズ小児病院(英国)HP https://www.leedsth.nhs.uk/a-z-of-services/childrens-rheumatology/advice-regarding-coronavirus-covid-19-for-paediatric-rheumatology-patients-26220/


Q4:同居家族に新型コロナウイルス感染疑い例、診断例がいる場合にどうするか?
Α4:

日本環境感染学会より出ている「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(2020 年 2 月 28 日) 」をご参照下さい。


参考)

1.日本環境感染学会HP;「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(2020年2月28日) http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/dokyokazoku-chuijikou.pdf


Q5:新型コロナウイルス感染症から回復した場合、いつになったら普段の生活に戻って良いか(外出や登校)
Α5:

新型コロナウイルス感染から回復後、通常の学校生活に戻る明確な基準は示されておりません。
2020年3月2日現在、全国の多くの小中高が休校措置をとったため感染から回復後も自宅で過ごすことにはなりますが、地域によっては卒業式や参加人数を分けた授業などに出席することもあり得ます。本邦における現時点での方針は、感染が確認された時点(PCR陽性を確認)で隔離入院することになります。【症状があった場合】症状が良くなってから(37.5℃未満、呼吸器症状回復)48時間毎にPCR検査を行い、陰性を確認したら12時間以降に再度PCR検査をします。2回連続PCR陰性を確認できれば退院できます。【無症状の場合】12.5日間の入院の後、PCR陰性を確認し、12時間以降に再度PCR検査で陰性を確認できれば退院できます。退院後は未感染者と同様の生活が可能となりますが、再感染の可能性や他の感染のリスクを考え、感染予防策を引き続き行うことが望ましいです。



注)このQ and Aは2020年3月9日現在の情報に基づいて作成されております。今後、得られる知見により変更される可能性があることをご承知おき下さい。また、詳しいことは主治医とよくご相談下さい。