スキルス胃癌とは
内視鏡検査(左)やバリウム検査(中)では、胃の膨らみが悪く、胃の表面のひだが太くなっています。CT検査では胃の壁が厚くなっています(右)。※カーソルを合わせると画像が拡大されます。
スキルス胃癌の治療
スキルス胃癌の新しい治療
抗癌剤をお腹の中に直接注入する腹腔内化学療法により腹膜播種を強力に抑えることが可能となり、スキルス胃癌の治癒につながることが期待されます。2020年7月よりスキルス胃癌に対する腹腔内化学療法の効果を確認するための治験を開始しました。
4型進行胃癌に対する術後または周術期補助化学療法としての全身・腹腔内併用化学療法と全身化学療法の無作為化比較第Ⅲ相試験
目的
手術後の腹膜播種の危険性が高いスキルス胃癌の患者さんを対象として、術後または術前術後に化学療法を行い、全身・腹腔内併用化学療法が標準的な全身化学療法より再発を抑える効果が高いかどうかを調べることを目的としています。
評価項目
胃癌が再発するまでの期間、生存期間、腹膜に再発するまでの期間、副作用などを評価します。
対象患者
腹膜播種や肝転移などの転移がなく、胃の切除が可能な75歳以下のスキルス胃癌の患者さんを対象としています。腹腔洗浄細胞診の結果は問いません。
試験の方法
患者さんを標準的な全身化学療法と新しい全身・腹腔内併用化学療法に無作為(ランダム)に振り分け、治療の効果と副作用を比較します。
3年間で300名の患者さんにご参加いただき、3年間経過を観察した後に結果を解析します。
研究代表者:石神 浩徳(東京大学医学部附属病院 外来化学療法部)
予定期間:2020年7月~2029年6月
実施施設:全国42施設
参加人数:262名
この治験は、東京大学医学部附属病院の研究費とクラウドファンディングにより広く法人や個人から集めた寄付金により実施します。腹腔内投与に使用するパクリタキセルは日本化薬株式会社より提供されます。