学生・研修医の方大学院生の声
- 東京大学医学部附属病院 口腔顎顔面外科・矯正歯科
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- 大学院生の声
東京大学大学院医学系研究科博士課程修了/白石 晃平
大学院での4年間は、私の人生においてかけがえのない宝物となりました。この貴重な時間の中で、私は歯髄と歯肉の研究に取り組み、その成果は今も心に深く刻まれています。
まず、歯髄の研究では、当院の口腔外科において患者様からご提供いただいた、抜去後の親知らずを用いて、骨、軟骨、脂肪への分化を成功させました。ご提供いただいた親知らずを通じて、私たちのチームが一丸となって成し遂げたこの成果は、今でも私にとって大きな喜びです。
次に、歯肉の再生に関する研究では、ラットを用いた歯肉退縮モデルの作製から始めました。ラットの歯肉を切除し、歯肉退縮のモデルを確立しました。その後、ラットの皮下にシリコーン製の鋳型を移植し、鋳型周囲に形成される組織をラットの歯肉退縮モデルに移植しました。移植後、私は歯肉の高さ、血管生成、組織学的解析、タンパク解析などさまざまな手法を用いて詳細な分析を行い、歯肉の再生に成功しました。
これまで臨床で何となく行っていた手技や使用していた材料の背後には、多くの研究者たちが涙を流しながら積み重ねてきた努力があったことに、改めて気づかされました。4年間の大学院生活は、私に多くの学びを与えてくれました。そして、共に学び、支え合ったチームメイトや、最後まで導いてくださった先生方には心から感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも、大学院で培った知識と経験を胸に、未来の医療に貢献できる医療人として成長していきたいと強く思っています。私の中で生き続けるこの4年間の学びを、次のステージで活かしていきたいと思います。
新たに大学院に入る皆さんへ、心からのエールを送ります!これから始まる学びの日々は、時に困難かもしれませんが、仲間と支え合いながら成長できるはずです。新しい知識や技術を吸収し、未来の医療に貢献する素晴らしい医療人へと成長してください。
皆さんの輝かしい未来を心から楽しみにしています!
東京大学大学院医学系研究科博士課程修了/福留 彩音
大学院での研究生活を振り返ると、指導をしてくださった先生方、スタッフの皆さま、そして共に学んだ同期に恵まれました。最高峰の学びの場で多くのことを経験し吸収することが出来た、かけがえのない日々だったと感じています。4年間という時間は、始まった当初は長く感じられましたが、振り返ればあっという間の道のりでした。
私が所属させて頂いたチームでは、毎週自らの研究の進行状況を発表する機会がありました。最初は緊張の連続でしたが、回を重ねるごとに少しずつ発表にも慣れ、自分の考えを整理して人に伝える力が養われたと感じています。この経験は、今後どのような場面でも大きな支えになると確信しています。
研究の過程では、新しい事実を発見した瞬間、緊張と驚きが湧き上がりました。この感覚は、これまで味わったことのない特別なもので、この研究室の門を叩いたことが正しかったと実感しています。
指導教官の「研究とは失敗からも学び、そこから想定していなかった新たな発見が生まれるものだ。だから研究は面白い。」という言葉が、特に心に残っています。この言葉通り、試行錯誤を繰り返す中で、失敗を恐れず挑戦することの大切さと楽しさを、身をもって経験することができました。
4年間では学びきれないほどの奥深い研究テーマに出会い、これをライフワークとして今後も探求し続けたいという強い想いが芽生えました。好きなだけ、好きな時間に研究に没頭できる環境を与えて頂けたことで、探究心が大きく育まれたように感じています。この芽生えた探究心をこれからも大切にし、卒業後も新たな発見を求め続けていきたいと考えています。
これから東京大学大学院を目指す皆さま、不安を抱くこともあるかもしれませんが、ここには挑戦を支えて下さる素晴らしい環境があります。自らの探究心を信じて、一歩を踏み出してみてください。きっと、かけがえのない経験と、未来につながる大きな成長が待っています。