学生・研修医の方研修医の声

初期研修医/長野 玲恵子

私は2020年度、初期研修医として口腔顎顔面外科・矯正歯科に入局しました。当科の初期研修医は外来・病棟ともにローテーションで研修を行います。私が当科での研修を選んだ一番の理由は医学部附属病院の中の歯科診療科であることです。母校は歯科大学であったため、一般歯科治療の症例は大変多く見ることが出来ましたが、医科の先生方と協力して患者様を診ていくという場面はあまりありませんでした。当科は口腔外科疾患の治療はもちろん、病院歯科の役割も担っています。外来には様々な診療科の入院患者様が毎日受診されています。大学の臨床実習では触れることのなかった全身疾患を有する患者様の診療を通して、歯科治療と全身との関連性を考える力が身に付いたと思います。もちろん初めはわからないことばかりでしたが、指導医の先生方が丁寧に指導してくださるのでだんだんと注意すべき点・他科との連携の仕方などを学んでいくことができました。また、入院患者様においても小児の先天疾患・顎変形症・腫瘍といった症例数の多さが特徴的です。様々な症例を経験することで入院管理、他職種の医療スタッフとの連携など多くのことを学ぶことができました。国内でもトップレベルの技術を持つ先生方の執刀を間近で見られることも大変貴重な機会だと思います。
口腔外科での診療を考えている方はもちろん、将来は一般歯科をやっていきたいと考えている方も様々な症例を見ることで知識が広がり、歯科疾患に対する考えが変わると思います。ご興味を持たれた方はぜひ見学にいらしてください。

初期研修医/設樂 沙月

私は2020年4月より東京大学医学部附属病院口腔顎顔面外科・矯正歯科に初期研修医として入局しました。私が研修先として当科を選んだのは、矯正歯科医を目指す一方で、口唇口蓋裂や顎変形症の外科サイドも学びたいと思ったからです。当科では口腔外科と矯正歯科がひとつの科として機能しており、一つの症例を口腔外科と矯正歯科の両サイドから検討したり、顎変形症や骨折の術中に矯正歯科医が顎間固定に入ったりと、口腔外科と矯正歯科のタイアップを間近で体験することができます。
初期研修医はローテーションとして外来と病棟の双方を回ります。外来では口腔外科の基本的手技はもちろんのこと、東大病院には様々な疾患を持った患者さんが来院・入院しており、それらの患者さんの外科処置や口腔ケアを通じて疾患そのものを学ぶとともに、外科処置をする上での全身管理についても学ぶことができます。病棟では口唇口蓋裂、腫瘍、顎変形症の3チームに分かれており、0歳の赤ちゃんから高齢者までの全身管理を行うとともに、それぞれの疾患の術前から術後までを経験することができます。
2020年度の研修医は7人で、初期研修終了後の進路としては各人各様です。私は矯正歯科に進みますが、当科の初期研修を通して口唇口蓋裂や顎変形症の外科的治療を間近で経験することができ、今後の自分の進路においても大きな糧となると確信しています。当科の研修では多くのことを学ぶことができ、各人がそれぞれの進路において大きな糧となるものを得ることができるのではないでしょうか。

後期研修医/渡邉 茉弥

私は口腔外科にて二年間の臨床歯科研修を行いました。一年次は外来と病棟に分かれてそれぞれ六ヶ月ずつ、二年次は年間を通して外来・病棟両方の業務に携わります。病棟は口唇口蓋裂・腫瘍・顎変形症の3チームに分けられており、病棟ローテーションではそれぞれの病態において必須の周術期管理を学びます。患者の多くが全身疾患を有するため、抜歯や小手術の基本的手技を習得するのみならず、他科との連携治療を行う上で把握すべき知識も得られます。特に二年次では口腔外科学会の認定医取得に必要な手術症例を経験するとともに、報告例の少ない先天性疾患や口腔癌の症例を通して研鑽を積むことができました。手術時には研究用の試料採取や再生軟骨の実用化に向けた取り組みを目の当たりにする機会があり、臨床と研究の密接な関わりを強く意識することとなりました。研修終了後は東大大学院へ進学し、豊富な症例を活かした恵まれた環境で研究に従事することも可能です。将来口腔外科に進みたい方はもちろん、一般歯科に進むにあたり口腔外科の知見も得ておきたいという方にも東大での研修はおすすめです。

特任臨床医/成田 凜太朗

私は東京大学医学部附属病院口腔外科に臨床研修医として入局してから約3年になります。当科プログラムの魅力は、口腔外科の知識をまんべんなく習得できることに加え、全身疾患を考慮した口腔外科処置を行うことができることです。当科では先天性疾患(口唇口蓋裂など)チーム・腫瘍チーム・骨切りチームに分かれており、研修では全てのチームを回ります。ミーティングは週3回あり、口腔外科医と歯科矯正医による症例検討、各先生の研究発表、口腔外科医のみで術前・術後の検討をしています。自分の症例でなくても、他の先生の症例で学ぶこともでき、また研究活動にも触れられることも魅力の一つです。年毎の状況にもよりますが、2年の研修期間で日本口腔外科学会の認定医資格に必要な症例数を満たすこともできます。珍しい症例は多いので、将来は口腔外科医を専門と考えている方にはとても良い経験になると思います。珍しい症例に興味がある方、口腔外科の治療を広く学びたい方にはおすすめです。

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