一般の方・医療関係の方病気の種類・治療法

顎顔面先天異常

当院では口唇口蓋裂センターを設立し、口唇口蓋裂治療を中心に、鰓弓症候群、頭蓋縫合早期癒合症、巨舌症、血管奇形(血管腫・リンパ管腫)・腫瘍など、先天的に口や歯、顎、顔面に形の異常がある病気全般に対応できるように体制を整えています。
当センターでは、口腔外科医、矯正歯科医、言語聴覚士、看護師、歯科技工士、歯科衛生士などの専門家がチームを組んで集学的治療を行っており、また、顎顔面領域における先天性疾患は全身的な合併症を有することも少なくないため、他科と連携して治療を行っております。疾患によっては、長い期間に渡る治療が必要となることもありますが、患者さんやご家族が、治療の途中で困ることがないよう、また途中から治療を希望される患者さんにも安心して治療が受けられるように、あらゆる方向から病気と向き合い、さまざまな専門家が治療に取り組んでいます。再生医療や先進医療などの最新の医療技術の提供も行っております。
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口腔腫瘍・粘膜疾患

口腔顎顔面領域に生じる悪性・良性腫瘍の治療を行います。視診や触診に加えて各種検査(細胞診、組織生検、CT、MRI、PET-CT等)を行い、疾患を診断し、治療を行います。悪性腫瘍の場合は、頭頸部キャンサーボードにて、耳鼻咽喉科、放射線科の専門スタッフと十分な検討を行い、最適な医療を提供できるように努めております。また、口腔顎顔面領域の悪性腫瘍の治療は、嚥下や構音、咀嚼機能に影響が及ぶ場合があります。そのため、当院の嚥下・リハビリテーション、言語訓練の外来を受診していただく場合があります。また、咀嚼機能の回復のために特殊な補綴物(顎義歯)が必要になる場合は、専門の医療機関に御紹介することがあります。

顎変形症

顎変形症とは顎骨(上顎骨・下顎骨)の大きや形が著しく異常な病態を言います。この病気は、顔貌だけではなく噛み合わせにも影響していることが多く、顎矯正手術により治療を行います。
当科では、口腔外科医と矯正歯科医が連携して治療を行います。矯正歯科医院よりご紹介いただいた顎変形症の患者さんの顎矯正手術を担当します。まずは術前矯正治療の開始前に、矯正歯科医院より当科へ患者さんをご紹介いただき、各種資料を採得いたします。紹介元の矯正歯科医院とご相談して、治療方針を決定後に術前矯正治療の開始となります。術前矯正治療が終了しましたら、改めて当科を受診いただき、再度評価を行い、手術プランをご提案いたします。手術後は、矯正歯科医院にて術後矯正治療を開始していただきます。
術後も長期的な評価が必要となるため、当科への定期受診も必要となります。

歯科矯正治療

頭蓋顎顔面領域の先天性疾患では、発育異常や、それに伴う不正咬合を認めます。当科および口唇口蓋裂センターでは、頭蓋顎顔面領域の先天性疾患の方に対して歯科矯正医が適切な時期に、適切な矯正治療を行います。
人が生きるためには栄養補給が不可欠ですが、それを行う口は、命に直結する重要な臓器です。歯や噛み合わせは栄養摂取にとって欠かせない要素といえます。赤ちゃんから大人になるまでには、乳歯から永久歯への生え変わりや顎の成長という、重要な時期があります。この重要な時期には、大人になってからの噛み合わせを見越しながら、注意深く、かつ長期間フォローするとともに、適切なタイミングで矯正治療を行うことが必要となります。
先天性疾患だけではなく顎変形症と診断された方の矯正治療も行っておりますが、専門の医療機関をご紹介することもあります。

顎関節疾患

「あごが痛い」「口が開きにくい」「あごの音が鳴る」といった顎関節症の診断・治療を行っています。X線検査・CT検査・MRI検査・顎機能検査・筋機能検査なども必要に応じて行いながら、患者さんそれぞれの病態にあった治療をご提案しています。当科では、日本顎関節学会の診療ガイドラインに基づき、生活指導および習癖の指導、理学療法、薬物療法、アプライアンス療法、外科的療法を行っています。また、顎関節関連疾患として、腫瘍や炎症、全身疾患に起因する顎関節症状などにも対応しています。

抜歯

歯科医院では対応が困難(親知らず、全身疾患がある方、骨吸収抑制薬使用中の方等)な抜歯を行っております。かかりつけ病院等へコンサルテーションを行ってからの抜歯となることもあります。初診当日に抜歯は行っておりません。

外傷

軟・硬組織の損傷に対して治療を行います。
緊急性がある場合は、受診当日に入院していただくことがあります。
広範囲または複数箇所に外傷がある場合は、他の診療科の治療が必要となりますが、当科は大学病院の口腔外科として口腔領域を担当し、他の診療科と連携して治療を進めてまいります。

炎症

口腔周囲には生命維持に関連する臓器器官が多数存在します。そのため、口腔内の炎症が急速に拡大した場合は、重篤な病態を呈する可能性があります。緊急性がある場合は、受診当日に入院していただき、全身的な管理を行いながら消炎治療を行うことがあります。
顎骨内へ炎症が拡大した場合、顎骨の慢性炎症(AROMJ、ORNJ等)を生じることがあります。治療ガイドラインに従って治療を行います。

インプラント

近年、インプラント治療は、補綴(歯を補う事)方法の一つとして、確立されております。義歯に比べると一般的に噛む力を強く発揮することができ、違和感も小さくすみます。また、原則としてブリッジのように両隣の歯を削る必要はありません。そのため、咬合機能回復の方法としては非常に有用な方法でもあります。インプラント治療は、全身状態や局所の状態から、必ずしも適応となるとは限りませんが、適切に診査・診断を行い、患者さんと話し合って治療方針を検討します。
また、インプラント治療は一部の疾患に対しては、保険適応(広範囲顎骨支持型補綴)となっております。通常のインプラント治療だけでなく、骨が足りないあるいは骨が薄い場合には、自家骨や人工骨添加を利用した骨造成も行います。症例によってはインプラントの治療部位以外にも何らかの治療が必要な場合もありますので、その際には地域医療機関と連携し処置を行います。

INFORMATION

口唇口蓋裂センターのご案内Infomation on Cleft Lip and Palate Center / Department of Oral-Maxillofacial Surgery and Orthodontics

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東京大学医学部附属病院 口腔顎顔面外科・矯正歯科

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