口腔顎顔面外科・矯正歯科についてご挨拶

当口腔顎顔面外科・矯正歯科は、口やその周りのあご・顔面の病気の治療を担当しています。口やその周りのあご・顔面は、ものを食べる、噛む、呑み込む、また、話をするなどの役割を担っており、健全な社会生活を送るのに欠かすことができません。また、口の周りの唇、鼻といったパーツは、顔面の中央にあるため、「見た目」にも非常に重要です。当科では、このように、生活の質を維持・改善する上で、機能的にも審美的にも非常に大切な「口とその周りのあごや顔面」の病気を治療しています。

具体的には、口唇口蓋裂やヘミフェイシャルマイクロソミア・第一第二鰓弓症候群、トリチャーコリンズ症候群などの先天性の口腔顎顔面形態異常、上下顎のバランスやかみ合わせに問題がある顎変形症、口の中の癌や血管腫などの口腔腫瘍、そのほか、外傷や感染、などを外科的に治療しています。また、これらの治療を行う上で、かみ合わせや歯列の問題も重要になりますので、当科では矯正歯科治療やデンタルインプラントなどの専門的な治療も行っています。また、口の中の衛生状態は、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、癌などの多くの成人病と密接に関わりあっているといわれていますし、妊娠や出産への影響を通じ次世代への健康にも大きく影響を及ぼすことが指摘されています。そのため、当科では口腔ケアも重要課題と考え、力を注いでいます。

さらに、新しい医療技術として再生医療にも力をいれています。当科はこれまで、患者さんから採取した軟骨細胞や骨髄の細胞、脂肪の細胞を培養して、骨や軟骨を再建する新しい手術を開発してきました。このような先進医療技術は、すでに口唇口蓋裂や顎変形症の患者さんに使用され始めています。当科では、「口とその周りの顎や顔面」の基本骨格となる骨や軟骨の生物学や再生技術の研究のほか、新規手術ナビゲーションシステムなどの医工学技術の開発、口腔癌の外ゲノム・エピゲノム解析などといった基礎研究を行うとともに、それを臨床に応用し、責任もって患者さんに届ける橋渡し研究にも積極的に取り組んでいます。

時代はバブルから超高齢社会へ移行し、医療も、単に命を救うことから生活の質(QOL)を重んじる時代へと変ってきました。もとより、食べることはまさに生きることであり、食べ物の入り口である「くち(口)」はまさに生きることを司っている臓器です。今まさに、「くち(口)」の時代を迎えようとしています。次の100年が、「くち(口)」の時代として人類に健康と幸福がもたらされるよう、教室員一同、最大限努力してまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。

東京大学大学院医学系研究科 感覚・運動機能医学講座 口腔顎顔面外科学分野教授
東京大学医学部附属病院 口腔顎顔面外科・矯正歯科科長
星 和人

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