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東京大学医学部附属病院
口腔顎顔面外科・矯正歯科
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病気の種類・治療法

病気の種類・治療法

  1. 口唇口蓋裂
  2. 顎関節症
  3. インプラント治療
  4. 顎変形症
  5. 口腔癌・口腔粘膜疾患
  6. 外傷

顎変形症

顎変形症とは

顎の骨の大きさ、形が著しく異常な状態を顎変形症と言います。先天性疾患によるものと、幼少時に受けた外傷や何らかの疾患の症状あるいは後遺症として生じる後天性のものがありますが、多くの場合は原因不明の成長発育異常で、遺伝が大きな要因と考えられています。

1. 顎変形症の種類

上顎前突症・下顎前突症・開咬症・顔面非対称・下顎後退症(小下顎症)などがあります。 この中には、口唇口蓋裂や第一第二鰓弓症候群などの先天性疾患も含まれます。

上顎前突症
上顎前歯部が前突しています。

下顎前突症1
下顎が上顎より前に出ている状態です。
前歯の噛み合わせは反対咬合(受け口)になります。
下顎の前方発育が著明なものです。

下顎前突症2
下顎の前方発育が特に著明なもので、かつ、上顎骨の発育不全を伴い、相対的に下顎前突を呈する場合です。
開咬症
上下の歯が噛み合わない状態です。
この症例では、上顎前歯部に凸凹(叢生)がみられ、下顎は右側へ偏位しています。

2. 当科における顎変形症患者の治療の流れ

3. 検査・診断・治療方針の決定

頭部X線規格写真、パノラマX線写真、口腔内写真、顔面規格写真、3次元CTおよび歯列模型などの資料をもとに、分析・顎口腔機能診断を行い治療方針を決定します。症例によっては、CTから立体モデルを作製し、手術シミュレーションを行います。

4. 術前矯正治療

手術後に良い噛み合わせとなるよう手術前に歯科矯正治療により上下それぞれの歯列を整えます。 術前矯正治療には1〜3年間を要しますが、大変重要な治療です。

5. 術前自己血輸血

手術の1週間前までに自己血の貯血を行い、術中の出血に対処します。原則として下顎あるいは上顎骨切り単独手術では800ml、上下顎同時手術では1200mlの貯血を行います。貯血は1週間に1回の頻度で、1度に採血できる量は最大で400mlです。また、希釈法による自己血輸血も行っております。

6. 入院

手術の1週間前までに自己血の貯血を行い、術中の出血に対処します。原則として下顎あるいは上顎骨切り単独手術では800ml、上下顎同時手術では1200mlの貯血を行います。貯血は1週間に1回の頻度で、1度に採血できる量は最大で400mlです。また、希釈法による自己血輸血も行っております。

7. 手術

顎の変形の状態により、上顎単独、下顎単独、上下顎の顎骨骨切り術を行います。主な術式には以下のものがあります。

T 下顎骨切り術

顎骨の変形が主に下顎にみられる場合に行います。下顎を小さくする場合と大きくする場合があります。

顎の変形の状態により、上顎単独、下顎単独、上下顎の顎骨骨切り術を行います。主な術式には以下のものがあります。

  1. 下顎枝矢状分割術(SSRO)
    神経を内側に温存して両側の下顎枝を内外側に分割して、内側の歯列の骨を後方あるいは前方へ移動して固定します。固定する材料にはチタン製の金属プレートを用いますが、抜去手術の必要のない吸収性プレートを使用する場合もあります。
  2. 下顎枝垂直骨切り術(IVRO)
    両側の下顎枝を骨に入る神経の後方で垂直に分割して、下顎を後方に移動する方法です。移動量が小さい症例が適応です。この方法では固定は行いません。

U 上顎骨切り術:Le Fort T型骨切り術

顎の変形が上顎にある場合に、歯の生えている上顎部分を移動します。上下顎の大きさの差が著しい場合に行うこともあります。

V 上顎前方歯槽部骨切り術:Wassmund法

上顎が前方に出ている場合に、側方の歯を抜歯してできたスペースを骨切りし、前方の骨を後方に移動させます。

W 骨延長法(一期的な骨移動が困難な症例)

幼少期の口蓋裂手術による瘢痕が著しい口唇口蓋裂症例や、顔面非対称の著しく頸部軟組織の緊張が強い第一第二鰓弓症候群の症例などでは、一期的な骨切り手術では骨の移動が困難な場合があります。こうした症例では、1日1mmずつ徐々に骨を移動させる骨延長術が適応となります。この治療により、瘢痕組織や緊張した軟組織が伸展し、骨の移動が可能となります。

X 上顎骨延長術

通常は、約1カ月の間に2回の手術を行います。すなわち、1回目の手術で上顎骨切り術と延長器の装着を行い、上顎延長後に2回目の手術で延長器を除去して上顎骨をプレートで固定すると同時に、下顎骨切り術を行い安定した咬合関係を得ます。

  1. 外固定装置:Regid External distraction(RED) system
     瘢痕拘縮が強く、著しい上顎の狭窄のある口蓋裂の患者様で、10mm以上の前方移動が必要な場合には、外固定型の上顎延長装置を使用します。経皮的に側頭骨に刺入したピンを固定源として、上顎を前方へ引き出します。
  2. 内固定装置:Zurich type
    瘢痕拘縮が強く、著しい上顎の狭窄のある口蓋裂の患者様で、5mm以上10mm以内の前方移動が必要な場合には、内固定型の上顎延長装置を使用します。直接頬骨に固定したプレートを固定源として、上顎を前方へ引き出します。

Y 下顎骨延長術

上顎骨延長術と同様に、通常は約1カ月の間に2回の手術を行います。すなわち、1回目の手術で下顎骨切り術と延長器の装着を行い、下顎延長後に2回目の手術で延長器を除去すると同時に、上顎骨切り術を行い安定した咬合関係を得ます。延長器には外固定型と内固定型があります。

8.術後管理

  1. 顎間ゴム牽引
    術後から上下の歯に装着された矯正装置にゴムをかけ、顎の位置を調整し、咬合管理を行います。
  2. 栄養管理
    術後約1週間は、経鼻的胃管留置により経管栄養を行います。全入院期間は3週から6週間(骨延長術を用いた2段階手術の場合)です。

9.術後矯正治療

術後顎がもとに戻ろうとする傾向があることから、良好な咬合を保つために、術後矯正治療を行います。期間はおおよそ1年間を目安にしています。

10.保定・予後観察

術後矯正治療終了後、取り外しのできる装置などを用い、保定を行う必要があります。定期的な外来通院での経過観察が必要です。

11.手術による合併症・偶発症

この治療では、神経鈍麻や顎関節症などの合併症が生じる場合があります。また、術後の生理的現象として後戻りが生じます。こうした症状を各種レントゲン検査や機能検査、触覚検査などで評価し、異常がある場合には、適宜治療を行います。

12.おおよその費用

手術を前提とした歯科矯正治療は当科では保険適応となっています。また、入院手術にかかる費用は、手術の内容、入院期間によって異なりますが、おおよそ30〜40万円(保険適用自己負担3割の場合)程度です。

外来受診につきまして
当科は原則的に予約制となっており、初診受付時間は、午前9時〜午前11時です。
受診時には、出来るだけ他医療施設からの紹介状をお持ち頂くようお願い致します。
尚、紹介状で担当医が指定されている場合はお電話の際、その旨をお伝えください。
予約の際には、下記予約センターまでお電話下さい。
予約センター電話番号:03-5800-8630
予約受付時間:12:30〜17:00(土・日・祝祭日・年末年始〔12/29〜1/3〕を除く)