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ワンヘルスサイエンティスト Vol 2, 7; July 1, 2021


医科学実験用サル類を扱う、一般社団法人予防衛生協会の活動紹介

濱野 正敬

一般社団法人予防衛生協会 試験検査部



  一般社団法人予防衛生協会は、旧・国立予防衛生研究所(予研、現・国立感染症研究所)附属研究施設であった、筑波霊長類医科学研究センター(Tsukuba Primate Research Center; TPRC)での動物管理委託業務を遂行するために1978年4月に設立されました。その後、TPRCは国立感染症研究所、独立行政法人医薬基盤研究所、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と所属を変え、現在に至っています。現在、TPRCでは約2,000頭のカニクイザルが飼育され、繁殖や研究に用いられており、毎年約150頭のカニクイザルが生産されています。

 予防衛生協会は1978年に設立されましたが、当時予研では、カニクイザルを用いて弱毒生ワクチンの国家検定を行っており、良質なサルの安定供給が必要とされていました。そのため微生物学的に感染の危険がない安全なサルを選別するためにサルの健康状態を把握するための検査方法の確立が急務となり、予研と予防衛生協会で各種検査系の開発が行われました。一方で、1993年よりサル類の利用者にも広く検査サービスを利用していただく目的で受託検査事業を始めることとなりました。
 まとめますと、予防衛生協会の主な業務は、TPRCでのカニクイザル、アカゲザルなど医科学研究用サル類の飼育、繁殖、健康管理およびそれらを用いた研究支援事業、受託検査事業の他、動物技術者、獣医師を全国のサル飼育施設へ派遣する、派遣事業です。

 また、2016年からは新規事業として出張健康診断サービスを始め、サルの定期健康診断に慣れていない研究者等から好評を得ています。年に数回、つくば市内で予防衛生協会セミナー、予防衛生協会講習会、サルの人形モデルを用いた技術講習会を実施し、サル類に関する取扱いや感染症に関する情報などを提供し、啓蒙活動にも力を入れています。講習会等の最新情報は、協会ホームページ にて閲覧できます。

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