4月18日付けの読売新聞 夕刊 ならびに読売オンラインにおいて[「多発性硬化症」、抑制薬で副作用・・・37%が治療中止]という記事が掲載されました。
これは、免疫性神経疾患に関する調査研究班による「日本人多発性硬化症(MS)患者におけるインターフェロンβ(IFNβ)製剤の使用実態に関する全国調査」の結果が記事にされたものです。
当研究班では、2004年に、2003年1月~12月の期間中にIFNβ製剤の治療歴のある医療機関を対象に行ったIFNβ製剤の使用実態調査を補遺する形で、再調査を行い、中間報告まとめております。
その結果、IFNβ製剤の使用経験のある患者さん320例について情報が得られ(アンケート回収率は約50%))、新聞報道にもありましたように、そのうち114例(37%)の患者さんでは治療が中止されておりました。新聞記事は、副作用や症状悪化を強調したものになっておりますが、中止理由も様々であり、また症状悪化についてもMS自体が再発を繰り返す病気であり、自然な経過によって再発したのか、IFNβの使用が悪化のきっかけになったのかは、この調査では現時点では必ずしも明確になっておりません。
また、新聞報道では、抗体とだけ書かれており、その詳しい説明はありませんが、これは抗アクアポリン4抗体のことです。この抗体が陽性の場合は、IFNβの治療効果が明らかでないことが多いため中止されていることが多いようです。
今回の新聞報道について、不安をお持ちの患者さん・ご家族の方は、主治医の先生によくご相談されてください。自己判断で治療を中止しないようにして下さい。
なお、今回行った再調査は、MSに対するIFNβ治療の治療効果に及ぼす諸因子を検討し、適切なIFN製剤の使用指針を作成することを目的とするものです。今後、更に治療開始前後の臨床経過など詳細な解析を進め、治療ガイドラインに反映する予定です。