代表理事挨拶

このたび2021年の社員総会の承認を頂きまして代表理事に就任致しました。私自身は本学会の発足時である2002年から会員として参加して参りましたが、当初は100名前後の参加で日本神経学会のサテライトシンポジウムの形で年次集会が開催されていたと記憶しております。2007年からは独立した学会として開催される様になり毎年欠かさず出席して来ましたが、年々参加者が増えるとともに今やパーキンソン病と運動障害疾患を専門とする人々にとって最も重要な情報交換の場となっていることを実感しております。会員数も1000人に迫る規模に発展しており、さらに2019年4月1日より一般社団法人化され法的にも独立した組織として運営されることとなりました。

本学会では年次学術集会とともに2011年からは教育研修会を開催し、パーキンソン病とその関連疾患の基本的な知識を医療関係者が広く研修できる場を提供して来ました。また2015年からは地域毎での少人数を対象として動画を用いて運動障害疾患の症候を勉強するビデオフォーラムをスタートさせています。さらに2016年からパーキンソン病に精通した専門看護師を養成することを目的としたPDナース研修会を全国各地で実施して来ております。

二年前、前代表理事の服部信孝先生がご就任後間もなくコロナ禍が生じ、その後の学会活動にも重大な支障が生じることとなりました。それまで対面を基本としていた多くの研修会はリモートで開催することとなり、一部の研修会は止む無く延期せざるを得ない状況に陥ってしまいました。年次集会も14回大会(福岡)は延期の後にハイブリッド開催、15回大会(仙台)も先日ハイブリッド形式で開催したばかりです。突然のコロナ禍の中で否応なしにリモート形式やハイブリッド形式での開催を選択せざるを得ない状況が続いておりますが、これまで対面式の会議に参加困難であった会員からは好評であると言う一面もあります。直接対面で行われる議論や情報交換の重要性は些かも少なくなった様には思えませんが、今後のポストコロナ時代は両方のメリットを生かして行ける様な学会運営を模索して行く必要があると考えております。

世界的な人口の高齢化に伴いパーキンソン病とその関連疾患の有病率は激増を続けており、”PD pandemic”と言う言葉も生まれております。その中でも本邦は人口の高齢化率が世界一であり、いち早く”PD pandemic”の時代に突入しております。今や一部の専門家だけではなく、専門・非専門に関わらず多くの職種の医療関係者が連携チームを組んで対応することがパーキンソン病とその関連疾患について求められております。これまでレボドパを始めとする種々の治療薬が開発されてまいりましたが、未だ未だ根治にはほど遠い状況の中で、いくつかの疾患修飾療法が実用化を目指して開発中であり、あと一歩のところまで来ている様に感じられます。本学会の活動を通して、社会全体としてパーキンソン病・運動障害疾患に関する認識が高まって行くこと、そして医療に関わるすべての職種の皆様に正しい知識を習得頂ける様な研修の場を提供すること、さらに最先端の病態・治療に関する研究成果・情報を交換し疾患克服に向けた活発な議論を進めることのできる様な支援を続けて行くことを目指して、微力ながら本学会の運営に当たって参りたいと存じます。変わらぬご指導ご鞭撻の程を宜しくお願い申し上げます。

2021年7月25日
MDSJ 代表理事
武田 篤

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