脂肪細胞における中性脂肪合成系の転写調節機構の解析

¹東京大学医学部糖尿病代謝内科、²東京大学大学院医学系研究科クリニカルバイオインフォマティクス研究ユニット、³筑波大学大学院人間総合科学研究科内分泌代謝・糖尿病内科

矢作直也^1,2、関谷元博¹、武内謙憲³、泉田欣彦¹、熊谷真義¹、高梨幹生¹、太田啓介¹、五十嵐正樹¹、高瀬暁¹、飯塚陽子¹、大橋健¹、石橋俊¹、山崎力²、永井良三²、山田信博³、大須賀淳一¹、島野仁³、門脇孝¹

【背景】肝細胞における中性脂肪合成系諸酵素の遺伝子発現はSterol regulatory element-binding protein (SREBP)-1という転写因子によって主に調節されていることが知られているが、脂肪細胞における転写調節因子は不明のままである。【目的と方法】脂肪細胞での中性脂肪合成系諸酵素遺伝子の発現調節が肝細胞と同様にSREBP-1によって担われているか否かを調べる目的で、SREBP-1ノックアウトマウス、およびLiver X Receptorリガンド投与によるSREBP-1c発現誘導モデルマウスにおいて、SREBP-1下流の中性脂肪合成系諸酵素遺伝子の発現を調べた。【結果と結論】肝細胞と異なり、脂肪細胞においては、SREBP-1は中性脂肪合成系の遺伝子発現調節にほとんど関与していないことが明らかとなった。