転写因子SREBPのクロマチンタンパク質HMGB1による活性化
東京大学医学部糖尿病代謝内科、筑波大学臨床医学系内科(代謝・内分泌)*
矢作直也、名島悠峰、武内謙憲*、高梨幹生、泉田欣彦、太田啓介、五十嵐正樹、高瀬暁、田嶋麻紀子、関谷元博、岡崎佐智子、岡崎啓明、田村嘉章、飯塚陽子、大橋健、原田賢治、後藤田貴也、石橋俊、山田信博*、大須賀淳一、島野仁*、門脇孝
【目的と方法】SREBPと相互作用する未知の蛋白質を探索する目的で、抗SREBP-1抗体で共沈される核抽出蛋白質に対して核型SREBP-1をbaitとするFar Western blotを行い、検出されたバンドのうちの1つをMALDI-TOF-MSを用いて同定した。
【成績】核型SREBP-1に結合する蛋白質としてhigh mobility group protein-B1 (HMGB1)が同定された。各種ドメイン欠損組み換え蛋白を用いた検討により、SREBPのHLH-domainとHMGB1のA boxとの間で相互作用すること、EMSAにてHMGB1の添加によりSREBPのSRE配列への結合が増強されること、そのメカニズムとしてHMGB1はSREBPのホモダイマー化を促進すること、RNAiを含むin vivoでの検討においてもHMGB1によってSREBPは活性化されることが判明した。
【結論】SREBPに結合する核内蛋白質としてHMGB1を同定した。SREBPは、HMGB1の存在下でホモダイマー化が促進され活性化される。